2011 Fiscal Year Research-status Report
JapanesePlex:日本人特異的SNPによる日本人証明法の開発と応用
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23590849
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
湯浅 勲 鳥取大学, 医学部, 准教授 (00093633)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日本人 / 特異遺伝子 / 個人識別 / PCR / DNA解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新しい個人識別法として、日本人であること、日本人由来であることを推定証明する方法を確立することである。この目的のためには、明らかに日本人と思われる人々に限定される多型マーカーが必要であるが、そのようなマーカーはほとんど知られていないため、日本人特異的マーカーのリストの作成から始めた。まずアフリカ人、ヨーロッパ人、中国人、日本人からなるHapMapデータから、日本人のみに観察され、しかも3%以上の遺伝子頻度を有する単一塩基置換多型(SNP)を染色体2、3番全体と5-11番の短腕部分から、多数抽出した。そのなかから、高い頻度を示すSNPを中心に、鳥取と沖縄の日本人、ソウルの韓国人、ウランバートルのモンゴル人、中国の無錫と長沙の漢民族、ネパールのチベット人、ナイジェリア、ガーナのアフリカ人、ミュンヘンのドイツ人の9集団875名について、150余りのSNPの遺伝子頻度を調査した。現在までに、30余りのSNPを見つけることができた。これらは、1)沖縄で遺伝子頻度が高く、鳥取で低いもの、2)鳥取で高く、沖縄で低いものに分類された。これらの半分は低頻度ながら、ソウルの韓国人にも観察され、日本人特異的遺伝子とほぼ日本人特異遺伝子が分けられた。1)と2)のSNPで最も高い頻度は、それぞれ約0.3と0.13で、1)のものは、縄文人由来のSNPで、2)のものは、弥生人の渡来後に発生した新しい変異である可能性が高いと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の日本人特異的SNPを30余り見つけ、これを用いると、ほぼすべての個人からこの変異を見出せ、日本人であることの証明がほぼできるところまできた。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点かなり多数のSNPを見出すことができたが、まだ検討していない染色体上のSNPもあるので、引き続き、目的のSNPを検索する。一方、比較的多数のSNPを同時に判定できるマルチプレックスPCRの検討を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
比較的少額のため、今年度の消耗品費とあわせて、消耗品費として使用する。
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