2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590894
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80299635)
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20433352)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 頚下浸水 / 温泉浴 / 中枢温 / 運動療法 / 温熱療法 / インターロイキン6 / TNFα / サイトカイン |
Research Abstract |
Pedersenらによると、運動負荷によるいわゆる「生活習慣病」や「慢性病」の改善機序として、骨格筋の収縮により産生されるMyokineが重要な役割を果たしている。さらに、代表的なMyokineであるIL-6 は中枢温上昇を伴う運動で、より著明な上昇を示すことが知られている。一方、我が国古来からの「湯治」により、「慢性病」を治療する手法が伝統的に行われている。したがって、温泉浴の効果も同じ機序である可能性を考えた。この1年間は、若年健常者を対象として、同じ時間の負荷である場合、温泉浴と運動のいずれのほうが、よりIL-6濃度上昇に寄与するかを比較する目的で研究を行った。負荷時間は20分とし、負荷量は「通常の健常者なら安全に耐えうる最大値」と考え、頚下浸水では温泉温度42度C、運動負荷では最大酸素摂取量60%負荷のエルゴメーター運動に設定した。健常被検者6人が温泉頚下浸水(温泉浴)、浸水無しの運動、又は浸水なしの安静座位20分、その後回復60分を行った。採血は負荷前、負荷直後、負荷後1時間(回復期)に行い、血中IL-6とTNF-αを測定した。その結果、全ての実験を通じてTNF-αの上昇は認めなかった。温泉浴実験のIL-6濃度は、温泉浴前から温泉浴直後に有意に上昇し、回復1時間でも上昇を保ち、その上昇量は運動負荷と比べて同等であった。以上の結果より、健常者において、温泉浴によるIL-6上昇は運動負荷と同等であることが判明した。また、この上昇は、TNF-α上昇の欠如から炎症により惹起されたものではなく運動負荷と同様のメカニズムによる発現が考えられる。この1年間の研究は順調に行われ、ほぼ研究計画通りに施行されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書によると、本年度は医学的に問題のない若年健常者10名を対象に最大酸素摂取量測定後、最大酸素摂取量60%での運動20分と安静座位20分を、室内、中性温頚下浸水、温泉頚下浸水の3つの条件下で行う。それらの実験をほぼすべて行った。しかし、結果の解析が行い得たのは温泉頚下浸水安静座位と室内運動負荷のみであったので、今年度はそれを報告した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り研究を行う予定。研究計画書によると、医学的に問題のない高齢健常者10名を対象に最大酸素摂取量測定後、最大酸素摂取量60%での運動20分と安静座位20分を、室内、中性温頚下浸水、温泉頚下浸水の3つの条件下で行う。測定項目も本年度と同様とする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通りの使用計画であり、特に変更は予定していない。
|
Research Products
(2 results)