2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23590894
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田島 文博 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00227076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80299635)
幸田 剣 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20433352)
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Keywords | 頚下浸水 / 温泉浴 / 中枢温 / 運動療法 / 温熱療法 / インターロイキン6 / TNFα / サイトカイン |
Research Abstract |
この1年間は医学的に問題のない高齢健常者を対象として、昨年測定した健常若年者と同様の手順で測定を行った。ただし、加齢によるリスクを考慮し3Ch心電図を装着した。その得られた最大摂取量の60%を運動負荷実験時の負荷量とした。 負荷時間は20分とし、負荷量は「通常の健常者ならあんな善に耐えうる最大値」と考え、頸下浸水では温泉温度42℃に設定した。 高齢健常被験者10人が温泉頸下浸水(温泉浴)、浸水無しの運動、又は浸水無しの安静座位20分、その後回復60分を行った。採血は負荷前、負荷直後、負荷後1時間(回復期)に行い、血中IL-6とTNF-αを測定した。その結果、全ての実験を通じてTNF-αの上昇は認めなかった。温泉浴実験のIL-6濃度は、温泉浴前から温泉浴直後に有意上昇し、回復1時間でも上昇を保ち、その上昇量は、運動負荷と比べて同等であった。以上の結果より高齢健常者において、温泉浴によるIL-6上昇は運動負荷と同等であることが判明した。またこの上昇は、TNF-α上昇の欠如から炎症により惹起されたものではなく運動負荷と同様のメカニズムによる発現が考えられる。この1年間の研究は順調に行われ、ほぼ計画通りに施行されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は医学的に問題のない高齢健常者10名を対象に最大酸素摂取量を測定後、最大酸素摂取量60%での運動20分と安静座位20分を、室内、中枢温頚下浸水、温泉頚下浸水の3つの条件で行う予定であった。予定通り高齢健常被験者10人が中性温頸下浸水20分か浸水無しの安静座位20分、その後回復60分の循環応答を計測した。しかし、予備実験で、42℃の頚下浸水時に血圧の上昇が大きな被験者が現れたため、被験者の選択基準を見直し、平成25年度に実験を完遂することとした。予備実験を繰り返し、運動時の42℃頚下浸水は見合わせることも視野に入れる。また、予備実験が多くなり、血液分析の回数も重なった。この1年間の研究は予想外の結果となったが、研究そのものは完遂できる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、実験条件を若干修正し、研究を完遂する。最終年は結果の解析と論文執筆に全力を挙げて取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定通りの使用計画であり、特に変更は考えていない。
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