2013 Fiscal Year Annual Research Report
消化管(食道,胃,大腸)癌の病態と治療に関わる遺伝子解析研究
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23590914
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 修 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20378053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 貴文 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80378041)
石黒 和博 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (60432275)
渡辺 修 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80378059)
大宮 直木 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (00335035)
宮原 良二 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50378056)
後藤 秀実 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10215501)
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Keywords | 消化器癌 / 薬剤耐性 / DNAメチル化 / 遺伝子発現 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究の目的は臨床診断、免疫染色をふくめた病理組織診断のほかに、腫瘍の遺伝子変異、DNAメチル化、遺伝子発現などを包括的に解析し、治療経過との関連を検討することにより、腫瘍の生物学的特徴と、個体の性質による最適な治療選択法の確立を目指すことである。 培養細胞を抗癌剤(5-フルオロウラシル(5-FU)およびシスプラチン(CDDP))に暴露することにより薬剤耐性株を樹立した。一方、消化管悪性腫瘍の患者の化学療法前後に内視鏡生検検体を採取した。メチル化アレイおよび発現アレイをもちいてゲノムワイド解析を行った。またDNAメチル化はパイロシークエンス法により、遺伝子発現はRT-PCR法により定量的な測定を行った。 マイクロアレイで解析した17,033遺伝子のうち、5-FU耐性株とCDDP耐性株の双方で発現が増加していたのは541遺伝子、双方で発現が減少していたのは569遺伝子であった。Gene ontology解析を行うと、5-FU耐性株およびCDDP耐性株いずれにおいても”extra cellular region”と”p53 pathway”が関連のあるGO termであった。薬剤耐性細胞株と内視鏡生検検体において、KLK13を含む15遺伝子が増加し、ETV7を含む12遺伝子が減少した。発現アレイとメチル化アレイの双方で解析可能であった10,365遺伝子のうち、74遺伝子が高メチル化かつ発現低下、または低メチル化かつ発現増加を示した。それらの遺伝子のうち脱メチル化処理によって遺伝子発現が増加した21遺伝子を抽出し、FSCN1、CPT1C、NOTCH3にてついて定量的測定を行った。本研究で発現およびメチル化変化がみとめられた遺伝子は5-FUおよびCDDP耐性機構に関連がある可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)