2013 Fiscal Year Annual Research Report
腸幹細胞動員における神経系シグナルの関与の検討:幹細胞分化可視化マウスを用いて
Project/Area Number |
23590953
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
比舎 弘子 関西医科大学, 医学部, 講師 (90151422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 直樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (30388459)
槇 政彦 関西医科大学, 医学部, 講師 (80297001)
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 講師 (70375244)
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Keywords | 小腸上皮幹細胞 / 神経伝達物質 / 血管作動性腸管ペプチド / 神経細胞 / パネート細胞 |
Research Abstract |
1. 小腸組織内での神経伝達物質とその受容体の組織学的解析 マウス小腸切片の免疫組織染色結果から、神経伝達物質であるVasoactive intestinal peptide (VIP、血管作動性腸管ペプチド)陽性神経細胞が、小腸上皮幹細胞近傍あるいは小腸上皮幹細胞近辺の筋上皮細胞の直下に存在していることが明らかになった。また、VIPの受容体(VPAC1)を持つのは小腸上皮幹細胞ではなく、パネート細胞であることも判明した。小腸から分離したクリプトや、クリプト培養によって得られた小腸オルガノイドの免疫組織染色結果からもパネート細胞がVPAC1を持つことが確認された。パネート細胞は、小腸上皮幹細胞のニッチ細胞としての機能を持っていることから、小腸内の神経細胞は、VIPを分泌し、パネート細胞を介して小腸上皮細胞の増殖や分化を制御している可能性が考えられる。 2. 小腸腺腫マウスでの粘膜固有層内神経系の組織学的解析 家族性大腸腺腫症のモデルマウスであるApc Minマウス(Apc遺伝子のヘテロノックアウトマウス)では、大腸ではなく小腸に腺腫が多発する。腺腫部位の粘膜固有層内でVIP受容体(VPAC1)陽性の神経細胞集団が散見された。神経系の異常が腺腫形成やその腫大に関わっている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 舌糸状乳頭角化上皮細胞の 維持・再生を担う舌上皮幹細胞の同定2013
Author(s)
田中 敏宏, 駒井 資弘, 矢内 洋次, 大江 秀一, 大町太一, 厚海 奈穂, 菅野 渉平, 吉田 真子, 比舎 弘子, 熊野 恵城, 岡崎 和一, 上野 博夫
Organizer
第72回日本癌学会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(横浜)
Year and Date
20131003-20131005
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[Presentation] 舌糸状乳頭角化上皮細胞の維持・再生を担う舌上皮幹細胞の同定2013
Author(s)
田中敏宏, 駒井資弘, 徳山陽子, 大町太一, 矢内洋次, 大江秀一, 厚海奈穂, 菅野渉平, 比舍弘子, 岡崎和一, 上野博夫
Organizer
第102回日本病理学会総会
Place of Presentation
ロイトン札幌(札幌)
Year and Date
20130606-20130608