2013 Fiscal Year Annual Research Report
加速ベッドによる血管内皮機能改善を介した心不全の新しい治療法の開発
Project/Area Number |
23591074
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
宮本 昌一 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第2研究部, 主任研究員 (30435557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 隆司 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第2研究部, 研究員 (80180769)
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Keywords | 血管内皮機能 |
Research Abstract |
陳旧性前壁心筋梗塞を伴う慢性心不全患者に対して、ヘパリン前投与下に加速ベッドを重力加速度の4分の1で45分間20回揺さぶる群(加速ベッド療法群7例)とヘパリン前投与下に軽く加速ベッドを45分間20回揺さぶる群(コントロール群6例)に無作為に割り付けた。患者の平均年齢は65±12歳で、平均左室駆出分画は42±23%と低左心機能であった。加速ベッド療法前後の採血で各マーカーの検討やトレッドミルテストによる運動耐容能の改善の有無、冠動脈造影CTによる左室局所壁運動の改善の有無(テラリコンという画像解析ソフトによる)の検討を行った。 結果としては、加速ベッド群では血漿BNP濃度は681±317pg/mlから241±182pg/mlへと有意に低下したが、コントロール群では677±354pg/mlから679±362pg/mlへと低下は見られなかった。また、加速ベッド療法群において、トレッドミルテストにおける胸部不快感や呼吸困難が生じるまでの運動時間は3.2±1.4分から5.4±1.8分へと有意に改善し、症状出現時の二重積も15000±3500mmHg・beats/minから17800±3600mmHg・beats/minまで増加した。一方、コントロール群では、トレッドミルテストにおける症状が生じるまでの運動時間や症状出現時の二重積についても前後で有意差は見られなかった。CTでの前壁領域の左室局所壁運動Chord shortening in infarct lesionは、1.05±1.18%から1.21±1.34%へ、コントロール群では0.98±1.07%から1.09±1.25%へと加速ベッド群でより改善しているように見えたが統計学的有意差は見られなかった。 心不全患者において左室局所壁運動の改善は見られないものの、中枢及び末梢効果により、心負荷や運動耐容能を改善する可能性がある。
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