2012 Fiscal Year Research-status Report
スフィンゴリン脂質シグナル制御による新しい気管支喘息治療へのアプローチ
Project/Area Number |
23591119
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 和幸 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50403275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 善博 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20291453)
小谷 義一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90403287)
船田 泰弘 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (60437465)
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Keywords | スフィンゴシン / 喘息 |
Research Abstract |
OVA(卵白アルブミン)の腹腔注射による感作、OVA吸入喘息モデルマウスに対する非選択的S1P阻害薬のDMSとS1P1受容体拮抗薬であるFTY-720の投与効果について検討した。BALB/cマウスをOVAで感作し、OVA吸入群と非吸入群にわけ、それぞれの群に薬剤(DMS、FTY-720)を腹腔内投与した群と、エアロゾル化し吸入させた群分けしFTY-720の投与で、気道内へ浸潤する好酸球数の減少やEPOの低下がみられた。DMS投与群のEPO活性を喘息マウスと比較した時、DMS腹注群は44.9±19.1%、DMS吸入群は47.6±28.8%であった。FTY-720投与群のEPO活性を喘息マウスと比較した時、FTY-720腹注群は56.5±32.5%、FTY-720吸入群は61.0±11.0%であった。また、生理学的にもS1Pの阻害薬投与によって気道過敏性が抑制されることが明らかになった。肺胞洗浄液中のTh2サイトカインであるIL-4,IL-5,IL-13のいずれも発現が抑制されていることから、S1Pが好酸球の活性、遊走を制御している可能性が示唆された。 一方で、S1Pが血管透過性を制御しているとの報告もあることから、血管透過性の違いが好酸球浸潤の程度に影響を及ぼしている可能性を考慮し、Evasblueを用いて気道内へのタンパク浸潤を比較したが、DMS,FTY-720のいずれの薬剤も血管透過性には影響を与えなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験開始前から予想していた結果を得ている。しかしS1Pの各受容体を後天的にsiRNAの手法を用いてノックダウンすることで、各受容体の活性化の違いによって、気管支喘息の表現型が変化することを証明する実験計画を組んでいたが、siRNA法では十分なノックダウンができていないため、S1P各受容体の阻害薬を用いた実験に変更する必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
S1P受容体の各siRNA投与による気管支喘息の表現型の変化を解析を予定していたが、SiRNA法によるノックダウンが十分にかからないため、各受容体のアゴニストを使った実験系で研究を遂行していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
S1P受容体の各siRNA投与にかかわる実験系の遂行が困難になっているため、各受容体アゴニストによる表現型解析を行うため、それらアゴニストの購入費用あてる。また、当成果を国際学会等に発表していくための資金に使用する。
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