2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞を用いた肺組織幹細胞の探索とII型肺胞上皮細胞誘導への挑戦
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23591146
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 功朗 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40447975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長船 健二 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80502947)
新實 彰男 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30252513)
三嶋 理晃 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60190625)
室 繁郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60344454)
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Keywords | iPS細胞 / 肺胞上皮細胞 / レポーター細胞 |
Research Abstract |
ヒトiPS細胞からII型肺胞上皮細胞への分化誘導法の確立にむけて研究をすすめた。同じ目標を持つ研究について2012年に新しい報告が出たが、誘導効果は不十分である。従来の方法に加えて、これを参考にして培地添加物の組成を調整し、報告よりもよいNKX2.1陽性細胞の誘導効率、さらに、SP-C陽性細胞の誘導に成功した。まだ誘導効率が不十分であり、さらなる改善に努めている。誘導過程で得た新規表面抗原マーカーXを発見した。Xの発現はNKX2.1陽性細胞とほぼ一致していた。これを用いて誘導の後半ステージで陽性細胞を濃縮することに成功した。さらに、種々のiPS細胞株で再現性を確認した。2012年度末に、本研究におけるES細胞の使用が文科省から承認されたため、今後ES細胞も使用する。また、ヒトiPS細胞からSP-Cレポーター細胞の樹立に成功し、誘導肺胞上皮細胞でSP-CとGFPの共陽性を確認した。以上について、「肺胞上皮前駆細胞の誘導方法」と題して、特許申請を行った(2013年4月)。現在、誘導過程で単離した細胞が肺組織幹細胞の性格をもつかどうかの検討のために腎皮膜下移植で分化した肺胞類似組織が形成されるかを確認する予備実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトiPS細胞からII型肺胞上皮細胞への分化誘導については、同じ目標を持つ研究について2012年に新しい報告が出たため、それが参考になったため進行が早まった。誘導過程でカギとなる表面マーカーを発見したことは、誘導細胞の濃縮につながり、計画が速まり効率の改善に直結する。また、SP-Cレポーター細胞の作製も順調に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終目標であるII型肺胞上皮の誘導効率をさらに上げること、細胞が完全な形態であるか、細胞機能が十分かという評価が必要。細胞塊が肺組織を構築しうるのか、動物移植にて確認が必要。さらに、肺気腫モデルマウスに接種し、肺に誘導細胞が定着するか、また病理学的に肺気腫が改善するのかを見ることが必要。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養のための培地や添加物は非常に高価であり、こららの消耗品に約80%を使用する。また、成果の発表のため、学会参加旅費に約20%を使用する。
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Research Products
(3 results)