2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞を用いた肺組織幹細胞の探索とII型肺胞上皮細胞誘導への挑戦
Project/Area Number |
23591146
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 功朗 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40447975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長船 健二 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80502947)
新實 彰男 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30252513)
三嶋 理晃 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60190625)
室 繁郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60344454)
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Keywords | iPS細胞 / ES細胞 / 肺胞上皮細胞 / SP-C / NKX2.1 |
Research Abstract |
まずはすでに樹立されているヒトiPS細胞を用いてベクター法でSurfactant protein Cのレポーター細胞を樹立した。薬剤耐性遺伝子を用いてII型肺胞上皮細胞に分化した細胞を回収した結果、免疫染色でごく少数の細胞についてはSFTPC, SFTPB陽性とみられる細胞が確認でき、電子顕微鏡でもII型肺胞上皮と思われるlamella bodyを持つ細胞を認めることができたが、誘導効率が悪く、増殖させたり維持したりすることもできず、濃縮することもできなかった。この方法では限界があったため、iCeMS長船健二先生に教えていただきながら、内胚葉を経て分化誘導する手法を確立し、その上でレポーター細胞を利用することにした。前腸細胞とされるFOXA2+SOX2+細胞を90%以上の高効率で誘導する技術を確立し、腹側前腸細胞とされる(NKX2.1+FOXA2+細胞)についても50-80%の効率で誘導することができるようになった。また、誘導過程で得た新規表面抗原マーカーXを用いてNKX2.1陽性細胞を濃縮することに成功した。先に作成したレポーター細胞ではGFP発現が不安定であり、ノックイン法でレポーター細胞を作製した。誘導実験を進めた結果、一部ではあるが、SFTPC陽性細胞が観察された。さらに、種々のiPS細胞株やES細胞で再現性を確認した。また、試みとして三次元培養を行い、球状の立体構造物を観察し、その中にSP-CやT1alpha陽性細胞を見出している。電子顕微鏡ではII型肺胞上皮細胞に特徴的lamellar bodyを観察した。2013年4月には「肺胞上皮前駆細胞の誘導方法」と題して、特許申請を行った。
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Research Products
(6 results)