2013 Fiscal Year Annual Research Report
新たな緑膿菌感染症の予防戦略-線毛の断片化ペプチドによるワクチンの開発
Project/Area Number |
23591152
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 教授 (50233838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 和史 大分大学, 医学部, 准教授 (80301381)
白井 亮 大分大学, 医学部, 助教 (60437837)
岸 建志 大分大学, 医学部, 助教 (20347024)
石井 寛 福岡大学, 医学部, 講師 (60398146)
時松 一成 大分大学, 医学部, 講師 (20347032)
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Keywords | 緑膿菌線毛蛋白 / ペプチド / 樹状細胞 / ワクチン |
Research Abstract |
緑膿菌線毛蛋白やそのペプチドで刺激した樹状細胞を介したワクチン効果を検証するために、C57BL/6マウスの脾臓から磁気マイクロビーズ法によって、CD4+ + CD62L+-T細胞(ナイーブT細胞)を分離した。以前の検討において樹状細胞からの炎症性サイトカイン産生を亢進させた緑膿菌線毛蛋白の101-120残基合成ペプチド(TFQTGTSSPKNATKVITLNR;ペプチド6)、PBS(negative control)、緑膿菌PAO-1株超音波破砕抗原(positive control)でそれぞれ刺激したマウス骨髄由来樹状細胞(JawsII)をホルマリン処理後、前述したナイーブT細胞と混合培養した。混合培養上清中のIFN-γ、IL-10濃度やナイーブT細胞へのBrdUの取り込みを検討したところ、ペプチド6刺激群では培養上清中のIFN-γ濃度はnegative controlと比べて上昇していたが、IL-10濃度の明らかな上昇は認めなかった。またpositive controlではナイーブT細胞のBrdUの取り込みが増加していたのに対して、ペプチド刺激群では明らかな取り込みの増加は認めなかった。一方、精製線毛蛋白を用いた検討では、線毛蛋白の刺激によってJawsII細胞はTNF-γやIL-12などのサイトカインを産生し、MHC-classII発現の誘導を認めた。さらに精製線毛蛋白で刺激したJawsII細胞とナイーブT細胞を混合培養したところ、培養上清中のIFN-γやIL-10の産生量はnegative controlに比べ上昇し、ナイーブT細胞へのBrdUの取り込みも増加していた。こうした結果は、線毛蛋白による免疫が樹状細胞を介して成立することを示唆している。さらに線毛蛋白に比べると弱いものの、ペプチド6も線毛蛋白同様、樹状細胞を介した獲得免疫成立に寄与していることが示された。今後、本研究では明らかにできなかった線毛蛋白あるいはペプチド刺激樹状細胞のマウスへの移入効果実験を行い、in vivoにおけるワクチン効果の検証を行っていく必要がある。
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Research Products
(1 results)