2013 Fiscal Year Annual Research Report
線維化病態における骨髄前駆線維細胞の役割と新規治療薬の効果判定に関する研究
Project/Area Number |
23591163
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 孝一郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (20465305)
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Keywords | 特発性肺線維症 / 線維細胞 / ピルフェニドン |
Research Abstract |
特発性肺線維症は呼吸器難病であり、進行性の線維化病態に骨髄前駆細胞(fibrocyte)が関わる可能性が示唆されている。本研究では実験的線維化病態におけるfibrocyteの関わりを解明することにより線維化の細胞資源を解明し、同時に新規抗線維化薬ピルフェニドン(PFD)導入後のfibrocyteの推移、phenotypeの変化を検証することを目的としている。 昨年度までの検討では、C57BL/6マウスにブレオマイシン(BLM) 100mg/kgをosmotic pumpを用いて投与し、これと同時にPFDを14日間投与するprophylactic modelを作成した。肺内のfibrocyteをCD45とcollagen Iに対する抗体で二重染色し、FACSにて解析した所、PFDの投与により肺へのfibrocyteの集積が抑制された。これは免疫染色でも定量的に確認された。Fibrocyteの遊走に関わるケモカイン類の検討ではBLMの投与により増加する肺内のCCL2はPFDにより有意に抑制された。またCCL2の免疫染色ではBLM投与により、肺胞上皮細胞・肺胞マクロファージ・細気管支上皮に発現の亢進が見られたが、これらはPFDにより抑制された。昨年度までの検討ではCCL12に対する効果は明らかでは無かったが、再検を繰り返した結果、PFDはCCL12も有意に抑制することが明らかとなった。 本年度はBLM投与後、10日目から20日目までPFDを投与するtherapeutic modelに対するPFDの効果を検討した。同モデルにおいても、fibrocyteの集積抑制が確認された。更にfibrocyteの遊走能の評価をBoyden chamberを用いて行った。BLMを投与したマウス肺組織よりmesenchymal cellを培養、magnetic beadsを用いてCD45陽性細胞を抽出し、CCL2に対する遊走能を評価した。CCL2に対する遊走細胞の増加は、PFD投与により抑制された。Fibrocyte上のCCL2に対するレセプターであるCCR2のPFDによる抑制も関与していると考えられた。 骨髄由来fibrocyteに対する抑制効果はPFDの抗線維化作用の一つであると考えられた。
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Research Products
(3 results)