2011 Fiscal Year Research-status Report
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23591226
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
濱田 千江子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50291662)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医療 / 被嚢性腹膜硬化症 / 脂肪幹細胞 / VEGF / HGF / basic FGF |
Research Abstract |
本研究は、クロルヘキシジンの持続腹腔内投与により誘導された腹膜線維症モデルラットに、GFP transgenic Ratのソ径部皮下脂肪組織から抽出した脂肪幹細胞を腹腔内投与し、線維化腹膜の修復に関し検討するものである。平成23年度の研究成果を以下に記す。1,脂肪幹細胞抽出方法の確立8週齢のGFP transgenic Ratのソ径部皮下脂肪組織から既知の方法に従って脂肪幹細胞を抽出した。腹腔内投与には大量の脂肪幹細胞が必要と考えられ、細胞増殖を促すために5 ng /mlのbasic FGFを基本培地に添加した。得られた細胞は、継代5(約4週間)で約1×108個と十分な増殖能を認めた。分化能に関しては、骨細胞への分化をArizarin-Red染色で、脂肪細胞への分化をOil-Red染色で確認した(継代5)。更に、継代5での表面マーカーがCD10(+)、CD90(+)、CD105(+)、CD31(-)、CD34(-)、CD45(-)であることをFlow Cytometryで確認し、骨髄幹細胞の表面マーカーと酷似した結果だった。2,腹膜線維化モデルラットの作成と脂肪幹細胞の腹腔内投与8%クロルヘキシジンを持続シリンジポンプを用いで腹腔内に投与し腹膜線維化モデルラットを作成した。Day21でシリンジを抜去したところ、コントロール群に比して有意な腹膜の線維化・肥厚を認めた。Day22とDay28の群に分け、ラット100g当たり1×106個の脂肪幹細胞をそれぞれ移植した。Day35で屠殺した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
屠殺後に、光学顕微鏡(マッソントリクローム染色)で腹膜線線維化の改善の評価をし、免疫蛍光染色でGFP陽性細胞の生着に関して評価する予定だった。
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Strategy for Future Research Activity |
腹膜線維化やGFP生着等の組織学的な評価、HGFやVEGFといった増殖因子のリアルタイムPCRでの定量を行う。また移植時期や移植した細胞数、移植方法に関して検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
組織標本の作製、免疫蛍光染色用の抗体、PCR、統計ソフト等に研究費を使用する。また、低血清培地(2%FCS+basic FGF)による培養によりHGFやVEGF等の増殖因子の分泌量が増加するという報告があり、当研究における培地(10%FCS+basic FGF)でのHGFやVEGFの分泌量を確認するためELISA法を用いて定量する予定である。
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