2011 Fiscal Year Research-status Report
視神経脊髄炎患者血清中抗アクアポリン4抗体の抗原決定部位の解明
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23591232
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 雅裕 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70345023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日和佐 隆樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30260251)
国松 己歳 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (70145746)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 神経免疫疾患 / 視神経脊髄炎 / 多発性硬化症 / aquaporin-4 / 抗体 |
Research Abstract |
(1)網羅的ペプチド作製機によりアクアポリン4蛋白全長を重複した部分を作りつつ一枚のメンブレン上に配置し、このメンブレンに患者血清を反応させ、その反応から患者血清中抗アクアポリン4抗体のimmunogenic siteの同定を試みて、一定の成果をあげ、厚生労働省「免疫性神経疾患に関する調査研究班 平成23年度班会議」において「Peptide array法によるAQP4上のimmunogenic site同定の試み」というタイトルで口演による発表を行った.その概要は同抄録集に記載発表されている.(2)以下に要旨の一部を示す.今回、我々はhuman aquaporin-4(hAQP4)の全領域をカバーするように、重複を持たせつつ156個のpeptideを独自のpeptide作成機で作成、同一メンブレン上に固定し、それらに対する血清の反応を、抗AQP4抗体陽性の視神経脊髄炎(NMO)ないし視神経脊髄炎関連疾患(NMOsd)22名、抗AQP4抗体陰性の多発性硬化症(MS)2名、正常対照(NC)6名の血清を用いて検討した。NCの平均+2SDをカットオフとすると抗体陽性者がNMO群(NMO+NMOsd)で最も多く認められるpeptideでは10人(45%)で陽性であった。このpeptideを含め、多くの陽性者が認められるpeptideはAQP4のloop Aの部分に偏在した。また、連続した部位のpeptideで陽性となる患者が多く見られるのもloop Aの部分であった。今回、AQP4の立体構造に関する検討はしておらず、その関与も否定できないが、peptideからの検討ではAQP4のloop AがNMO/NMOsd患者血清中抗AQP4抗体のmain immunogenic siteとなっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)予定通り、網羅的ペプチド作製機によりアクアポリン4蛋白全長を重複した部分を作りつつ一枚のメンブレン上に配置することに成功し、さらにこれを増産することに成功した.(2)予定通り、このメンブレンに患者及び対照の血清を反応させ、その反応から患者血清中抗アクアポリン4抗体のmain immunogenic siteをある程度、絞り込むことに成功した.(3)この結果を厚生労働省「免疫性神経疾患に関する調査研究班 平成23年度班会議」において「Peptide array法によるAQP4上のimmunogenic site同定の試み」というタイトルで口演による発表を行うとともに、その概要を同抄録集として発表することができた.(4)上記のような進展状況からおおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)さらに多数の患者・対照で検討すべくメンブレンの増産を行う.また、それを患者及び対照と反応させ、その結果を定量化し、データを上積みすることで結果の信頼性を高める.(2)絞り込まれたsiteをペプチド化し、enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法によりより多数の検体で同時に検討し、確かにそこがmain immunogenic siteか、患者全体の中でそこを認識する者の割合はどうか、そこを認識する患者群になんらかの臨床的特徴がないかなどを検討する.(3)さらに以下の二つの方法によりaquaporin-4(AQP4)蛋白の組換え蛋白を細胞に発現させる。1) AQP4 cDNAを制限酵素を用い断片化し、遺伝子断片をプラスミドに組み込む。2) inverse PCR法により、既知の4つの細胞外ドメインをはさむ形でprimerを作成、これらのドメインを一つずつ除く形でPCR法を行い、セルフライゲーションを行わせる。以下は1)、2)に共通で、まずこれらを大腸菌用ベクターに組換え、これを大腸菌に取り込ませ、組換え蛋白を発現させる。Cell lysateを展開し、ウエスタンブロット法により各組換え蛋白と、抗AQP4全長蛋白抗体陽性患者血清を反応させ、血清中のIgGがどの組換え蛋白に反応するか観察し、抗原決定部位を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)まずは網羅的ペプチド作製機によりアクアポリン4蛋白全長を重複した部分を作りつつ一枚のメンブレン上に配置するためにかかる諸費用に使用する.(2)ペプチドと患者血清を反応させる実験にかかる費用に使用する.抗ヒトIgG抗体などが含まれる.(3)制限酵素による断片化、プラスミドへの組み込み、プライマー作製、大腸菌用ベクターへの組み換え、PCR法の実施、ウエスタンブロット法にかかる諸費用に使用する.(4)特にPCRに関してはサーマルサイクラーを組み換え蛋白作製に関しては自動組み換え蛋白質精製装置を購入予定である.(5)途中までの研究の成果を海外の学会(13th Asian Oceanian Congress of Neurology)で発表予定であり、渡航など発表に関連する費用に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)