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2012 Fiscal Year Research-status Report

視神経脊髄炎患者血清中抗アクアポリン4抗体の抗原決定部位の解明

Research Project

Project/Area Number 23591232
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

森 雅裕  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70345023)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 日和佐 隆樹  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30260251)
国松 己歳  名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (70145746)
Keywords神経免疫疾患 / 視神経脊髄炎 / 多発性硬化症 / aquaporin-4 / 抗体
Research Abstract

これまでの成果をオーストラリアのメルボルンで開かれた第13回、アジアオセアニア神経学会議で発表した。そのときの要旨は以下のとおり。
背景:neuromyelitis opticaは重度の視神経炎と脊髄炎を臨床的な特色とする疾患であり、現在では多発性硬化症とは異なるentityと考えらえている。neuromyelitis opticaのバイオマーカーである血清抗aquaporin-4(AQP4)抗体が発見され、neuromyelitis opticaの病態の中心的役割を担うと考えられている。目的:neuromyelitis optica患者から採取した抗AQP4抗体が認識するAQP4上の免疫原性部位を明らかにすること。方法:AQP4の全アミノ酸配列からペプチドのライブラリーデータを使って、14merで、かつ2merずつ重なる形で156のペプチドをペプチド合成機を使い合成、セルロース膜上に配置した。それらのペプチドに22名の視神経脊髄炎患者、2名の疾患対照(多発性硬化症)、6名の健常対照の血清を反応させた。それに蛍光標識したIgGをさらに反応させ、画像化し定量化した。正常の平均+2SDをカットオフとした。結果:ペプチドのうち、22名のneuromyelitis optica患者の血清のうち、10(45%)の血清で陽性反応を示すペプチドがあり、それは細胞外ループAに存在した。また、3個の連続したペプチドが10名(45%)のneuromyelitis optica患者血清で陽性を示した。結論:AQP4の細胞外ループA上のペプチドは、neuromyelitis opticaにおける中心的な免疫原性抗原部位かもしれない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

①予定通り、網羅的ペプチド作製機によりアクアポリン4蛋白全長を重複した部分を作りつつ一枚のメンブレン上に配置することに成功し、さらにこれを増産することに成功した.
②予定通り、このメンブレンに患者及び対照の血清を反応させ、その反応から患者血清中抗アクアポリン4抗体のmain immunogenic siteをある程度、絞り込むことに成功した.
③この結果を厚生労働省「免疫性神経疾患に関する調査研究班 平成23年度班会議」において「Peptide array法によるAQP4上のimmunogenic site同定の試み」というタイトルで口演による発表を行うとともに、その概要を同抄録集として発表することができた.
④さらに第13回アジアオセアニア神経学会議でもポスター発表を行うことができた。
⑤上記のような進展状況から順調に進展していると判断した.

Strategy for Future Research Activity

さらに多数の患者・対照で検討すべくメンブレンの増産を行った.今後、
①それを患者及び対照と反応させ、その結果を定量化し、データを上積みすることで結果の信頼性を高める.
②絞り込まれたsiteをペプチド化し、enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法によりより多数の検体で同時に検討し、確かにそこがmain immunogenic siteか、患者全体の中でそこを認識する者の割合はどうか、そこを認識する患者群になんらかの臨床的特徴がないかなどを検討する.これについては予備実験を施行中である。
③さらに以下の二つの方法によりaquaporin-4(AQP4)蛋白の組換え蛋白を細胞に発現させる。1) AQP4 cDNAを制限酵素を用い断片化し、遺伝子断片をプラスミドに組み込む。2) inverse PCR法により、既知の4つの細胞外ドメインをはさむ形でprimerを作成、これらのドメインを一つずつ除く形でPCR法を行い、セルフライゲーションを行わせる。以下は1)、2)に共通で、まずこれらを大腸菌用ベクターに組換え、これを大腸菌に取り込ませ、組換え蛋白を発現させる。Cell lysateを展開し、ウエスタンブロット法により各組換え蛋白と、抗AQP4全長蛋白抗体陽性患者血清を反応させ、血清中のIgGがどの組換え蛋白に反応するか観察し、抗原決定部位を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

①絞り込まれたsiteに関し、ペプチドを受託合成する。これに研究費を使用する。
②このペプチドと患者血清を反応させるELISAにかかる費用に使用する.抗ヒトIgG抗体、ELISAプレート、発色液などが含まれる.
③制限酵素による断片化、プラスミドへの組み込み、プライマー作製、大腸菌用ベクターへの組み換え、PCR法の実施、ウエスタンブロット法にかかる諸費用に使用する.
④特にPCRに関してはサーマルサイクラーを組み換え蛋白作製に関しては自動組み換え蛋白質精製装置を購入予定である.
⑤研究の成果を英文誌に発表する諸費用に利用予定である。
⑥なお、次年度使用額が生じたのはpeptideを用いたELISA法による同定とその成果発表に注力し、inverse PCR法を用いた組み換え蛋白作製を次年度に繰り越したことによる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Peptide array analysis for detection of immunogenic site on aquaporin-4 in neuromyelitis optica.2012

    • Author(s)
      第13回アジアオセアニア神経学会議
    • Organizer
      アジアオセアニア神経学会
    • Place of Presentation
      メルボルン(オーストラリア)
    • Year and Date
      20120604-20120608

URL: 

Published: 2014-07-24  

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