2013 Fiscal Year Annual Research Report
視神経脊髄炎患者血清中抗アクアポリン4抗体の抗原決定部位の解明
Project/Area Number |
23591232
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 雅裕 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70345023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日和佐 隆樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30260251)
国松 己歳 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (70145746)
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Keywords | 視神経脊髄炎 / 多発性硬化症 / 神経免疫疾患 |
Research Abstract |
視神経脊髄炎(NMO)患者血清中に水分子のチャンネルであるアクアポリン4(AQP4)に対する自己抗体、抗AQP4抗体が存在することが明らかにされ、さらに動物への抗AQP4抗体の投与によりNMO類似の病理が得られることなどから、同抗体の病態への関与が強く疑われているものの、この抗体が認識するAQP4上の抗原決定部位に関しては未解明な部分が多い。その抗原決定部位が特定されれば、病態の解明や新規治療法開発に大きく寄与すると考えられるため、本研究では網羅的ペプチドアレイ作製機を用いたpeptide array法と制限酵素による遺伝子の断片化という遺伝子工学的方法を駆使して、この視神経脊髄炎患者血清中の抗AQP4抗体の抗原決定部位を決定することを目的に本研究を行った。 我々はまず、すでに自ら開発したELISA法による測定を続け、抗AQP4全長蛋白抗体陽性患者、38例の患者血清を保有しており、これらの患者に関し、臨床的特徴、画像や血液・髄液などの検査上の特徴をretrospectiveに集積し、また遺伝子工学的操作の準備としてhuman AQP4のcDNAを組み込んだプラスミドを既に保有し、human AQP4のcDNAの制限酵素マップも作成した。次に、一枚のメンブレン上にの1600ペプチドを合成できる独自の網羅的ペプチドアレイ作製機を用い、AQP4の構成ペプチド(14mer)を逐次1アミノ酸ずつずらしながら、全長にわたり網羅的にメンブレン上に配置したペプチドアレイを作製し、抗AQP4陽性患者血清と反応させ抗原決定部位を特定をめざした。 その結果、患者血清中抗アクアポリン4抗体の中で特に細胞外ドメインであるループAにimmunogenic siteとなっている部分があることを見出し、オーストラリアのメルボルンで開かれた第13回、アジアオセアニア神経学会議で発表した。
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Research Products
(8 results)