2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルファ・シヌクレインオリゴマーの物性・細胞毒性機序の解明と分子標的治療への応用
Project/Area Number |
23591252
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
徳田 隆彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80242692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264782)
中川 正法 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198040)
渡邊 義久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363990)
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Keywords | アルファ・シヌクレイン / パーキンソン病 |
Research Abstract |
まず前年度に引き続いて、髄液中のα-synが4量体であるのか単量体であるのかという問題について詳細な検討を行った。髄液中のα-synは、ゲルろ過クロマトグラフィーでは60-70kDaと~2000kDaの画分に特異的ELISAのシグナルが検出された。60-70kDaのα-synはRec-α-synで得られたものと同様に、8M尿素存在下でも30kDaの限外濾過膜は通過せず、4量体ではなく単量体である可能性が高いと考えた。~2000kDa画分のα-synについては現在解析中である。 また、当初の計画に戻り、培養細胞系で最も毒性の高いα-syn 分子種、すなわちα-syn oligomer~fibrilのどの程度のα-syn凝集体が最も神経細胞毒性が強いかを検討する研究を再開した。今年度は、まず、外部からのα-syn凝集体(すなわち細胞培養液に添加したRec-α-syn凝集体)によって細胞内にα-syn凝集体を作製するモデル系の確立を行った。当初は2週間incubateしたRec-α-syn (fibril/oligomer混合物)をHEK293細胞の培養液に添加していたが、凝集体の形成効率が悪くかつ不安定であったために、リポフェクタミン試薬とともにα-syn fibril/oligomer混合物を培地に添加したところ、添加4時間後には細胞内にα-syn免疫染色陽性の凝集体が形成された。この方法により、細胞内に効率よくα-syn凝集体を形成することができたが、この凝集体は正常細胞では細胞内のタンパク分解系で効率よく分解され、添加24時間後では80%減少することがわかった。また、このように凝集体が効率よく処理された細胞では細胞死は見られなかった。そこで、この分解系について検討した。オートファジー関連蛋白であるAtg5をノックダウンするとα-syn凝集体のオートファゴソーム内への取り込みおよび分解が阻害された。一方、ラパマイシン処理によりオートファジーを活性化すると凝集体の分解が促進された。以上の結果から、α-syn凝集体の分解系はオートファジーに依存することが明らかになった。
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Research Products
(11 results)