2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591281
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊藤 義彰 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90265786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畝川 美悠紀 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (10548481)
星野 晴彦 慶應義塾大学, 医学部, 講師(非常勤) (50407110)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 / 人工血管 / 脳虚血 / 周皮細胞 / 治療 / 血管新生 |
Research Abstract |
(1)in vitro血管新生モデルの確立:まず人工膜血管新生システムを開発するのに先立ち、in vitroでの血管新生モデルを作成し、論文化した。(Itoh Y, Toriumi H, Yamada S, Hoshino H, Suzuki N. Astrocytes and pericytes cooperatively maintain a capillary-like structure composed of endothelial cells on gel matrix. Brain Res. 2011 Aug 11;1406:74-83)。この中で、血管の形成維持には周皮細胞が重要であること、またアストロサイトは血管網にendfootを伸ばしてgliovascular complexを形成し、微小血管系の維持を強くサポートすることを報告した。(2)血管内皮細胞の確立:ヒトへの応用を考え、human brain microvessel endothelial cellを用いた。異種移植となるためレシピエントにSCIDマウス(免疫不全動物)を利用した。またヒトT10細胞などをfeeder細胞として利用したところ、血管構築の維持に強く作用することが示された。(3)膜状支持組織scaffold:さまざまなゲル物質のうち、collagenが市販されており、硬度、血管構造の維持力などから適切と考えられた。(4)人工血管膜の移植:直径3mmでbregmaから後方・側方にそれぞれ2.5mmを中心とした頭窓を作成した。硬膜は剥離し、軟膜上に人工血管膜を静置しクオーツ製の頭窓を設置し。これにより数カ月にわたって繰り返し脳表を観察することができるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro血管新生モデルの確立:まず人工膜血管新生システムを開発するのに先立ち、in vitroでの血管新生モデルを作成し、論文化した。(Itoh Y, Toriumi H, Yamada S, Hoshino H, Suzuki N. Astrocytes and pericytes cooperatively maintain a capillary-like structure composed of endothelial cells on gel matrix. Brain Res. 2011 Aug 11;1406:74-83)。 虚血における血管新生の意義について論文化した。(Guo H, Itoh Y, Toriumi H, Yamada S, Tomita Y, Hoshino H, Suzuki N. Capillary remodeling and collateral growth without angiogenesis after unilateral common carotid artery occlusion in mice. Microcirculation. 2011;18(3):221-7) 人工血管モデルの作成に着手した。 以上のように、これまでの研究は順調に達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)脳虚血モデルの作成:動物のMCA閉塞モデルには、田村法によるMCA永久虚血モデル、糸あげ法による一過性虚血モデルがある。何れの虚血モデルも当研究室では習熟している。再現性、均一性の点からは直達法である田村法が優れている(Stroke. 2009;40(10):3378 )。(2)MCA閉塞後の血流動態の検討:血流は、mean transit time、レーザドップラー法にて検討する(装置は現有)。微小循環は、FITC-dextran またはTR-labeled RBCにて評価する。(Stroke. 2009;40(10):3378 )(3)梗塞巣の体積測定:TTC染色後、連続切片を評価する。(4)新生血管の評価:脳血液関門blood brain barrierの形成についてEvans Blueなどの色素漏出試験にて評価する必要がある。血管拡張性について、アセタゾラミドなどの薬剤反応性、CO2反応性で評価する。(5)出血の危険性の評価:新生血管は脆弱で易出血性の可能性がある。病理学的評価のほか、血圧負荷試験などにて耐性を確認し臨床への応用の可能性を検討する必要がある。(6)血管新生促進因子の検討:VEGFをはじめ、angiopoietin/TIE2, semaphorin/neuropilin, BDNF, NGF, GM-CSFなどが人工血管新生モデルにおよぼす効果を検討する。(7)骨髄由来Endothelial Progenitor Cell (EPC)の有用性の検討:モデルにより血管新生にEPCが寄与することが知られている。本モデルにおけるEPCの効果を検討する。骨髄からのhematopoietic progenitor cellの分離、末梢からの投与は習熟している(J Cereb Blood Flow Met. 2009; 29: S376)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入した装置が予算よりも31000円安かったため、繰越金とした。次年度は実験試薬、実験動物の維持に231000円使う予定である。
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