2013 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症に伴う認知機能障害における診断方法の確立
Project/Area Number |
23591284
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
市川 博雄 昭和大学, 医学部, 准教授 (70296953)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
金野 竜太 昭和大学, 医学部, 助教 (70439397)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症患者における認知機能障害を正確に把握することはこれまで困難であった.本研究では自己洞察の欠如および書字障害を含めた認知機能障害に加え脳画像を検討することを通して,同患者における認知機能障害を容易に把握できる検査法を確立していくための基礎を構築することを目的としている.これまでの検討で得られた結果を以下に示す.1) 質問票を用いた自己洞察(病識)の評価が軽度の認知機能障害の検出に有用であり,脳画像検査における前頭側頭葉の萎縮程度と相関することが示された.また,自己洞察(病識)の欠如する部分はアルツハイマー病など他の認知症とは異なり,身体機能障害に対するものが多いことが示された. 2) 筋萎縮性側索硬化症患者では明らかな知的機能障害がない際にも書字障害を認めることが少なくないことから,筋萎縮性側索硬化症における軽度の認知機能障害の検出には書字評価が有用であることが示された. 3) 書字障害は仮名に顕著であることが多いが,仮名優位の障害を呈する患者のほかに,漢字優位の障害を呈する患者もみられ,仮名と漢字の障害には乖離みられることが示された. 4) 書字障害の特徴(仮名優位あるいは漢字優位)と認知症の臨床的特徴(脱抑制の有無)とに関連があることが示された. 5) 脳画像との比較にいては,仮名および漢字の障害と前頭側頭葉萎縮の分布とが関連することが示された. 6) 脳画像における脳萎縮の進行度は患者ごとに大きな相違があり,急速な進行を呈する患者もみられた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
同大学内の勤務地異動,研究に従事するための時間制限により,症例の確保が進まず,研究の進行が遅れている.また,脳MRIなどの統計画像の処理体制がうまく確立できておらす,結果が思うように得られていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
脳MRI統計画像の推進について放射線科の協力を得ていることに加え,共同研究者の協力による画像解析の体制を構築している.なお,脳MRIによる検討だけでなく,脳CTを用いた簡易な画像解析も同時に進めている.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度にALSあるいはPD患者の集積した症例を検討・解析し論文執筆する予定であったが,ALSあるいはPD患者の症例の集積が遅れたため,未使用額が生じた. 研究データを解析用のPCの購入,学会発表用の原稿の英文校閲,学会出席のための旅費に使用する.
|
Research Products
(2 results)