2012 Fiscal Year Research-status Report
デュシェヌ型筋ジストロフィーのバイオマーカーと新規治療方法の開発
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23591290
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部) |
Principal Investigator |
齊藤 利雄(斉藤利雄) 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (60538776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 充宣 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50185378)
藤村 晴俊 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (20263246)
松村 剛 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (30549366)
佐古田 三郎 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (00178625)
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Keywords | ジストロフィン異常症 / CD34 / シルデナフィル / NIRS |
Research Abstract |
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)の病態には,血管機能異常による微小循環障害,低酸素・虚血状態が大きく影響する.血管機能維持に重要な末梢血循環CD34陽性細胞は,DMDの循環障害治療評価の機能障害マーカーの候補となると考え,1.3~47.7歳のDMDのべ57例,1.7~67.7歳の筋強直性ジストロフィー (DM) のべ19例,3.0~58.3 歳の脊髄性筋萎縮症 (SMA) のべ29例,32.2~79.0歳の筋萎縮性側索硬化症 (ALS) のべ22例,6.9~48.7歳の健常対象群 (HC)のべ14例など,170例以上のCD34陽性細胞のデータを収集した.DMDでは1.94± 1.21 counts/μl, DMは 0.89±0.47 counts/μl,SMAは1.63± 1.18 counts/μl,ALSは1.22±0.98 counts/μl,HC 1.52± 0.92 counts/μlで,DMDのCD34陽性細胞数は低年齢で高値傾向を示し,CD34陽性細胞はDMDの機能障害マーカーとなる可能性が示唆された. また,DMD39例,ALS20例,HC13例のangiogenin,MMP-9を測定した.Angiogeninは,DMD 1467.0±524.2pg/ml,ALS 2059.7±390.3pg/ml,HC 1885.8±325.6 pg/mlとALSで高値であったが,angiogeninのDMD病態への関連は高くないと推測された.MMP-9は,DMD 4.25±2.65ng/ml,ALS 4.31±3.18ng/ml,HC 2.90±1.27ng/mlで,DMDでは年齢が長じるにつれ高値の傾向であった. 現在,ジストロフィン異常症患者を対象にシルデナフィルの2週間短期投与を行い,安全性,運動機能,CD34陽性細胞数,NIRSなどを評価している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各神経筋疾患のCD34陽性細胞は現在解析中であるが,対照疾患のangiogeninやMMP9の測定はやや遅れており,データがまだそろっていない状態である. 現在進行中であるジストロフィン異常症患者を対象とした,シルデナフィルの2週間短期投与は,安全性に配慮して,複数の患者で投与評価期間が重ならないよう行っている.現時点では投与終了1例,投与中1例と症例数が少なく,次年度中に投与症例数を増やす必要がある. 当初の研究計画では,共同研究の大平研でのモデルマウス実験を予定していたが,施行の目処が立てられない状態である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中であるジストロフィン異常症患者を対象とした,シルデナフィルの2週間短期投与の症例数を増やし,その安全性,有効性を評価する. 現在,国立病院機構大阪医療センター臨床研究部田浦映恵研究協力者にはCD34陽性細胞数測定の,大阪大学微生物研究所多田 智研究協力者にはangiogenin,MMP9測定の協力を頂いており,引き続き,有用な治療評価マーカーの探索を継続する. 一方,共同研究の大平研でのモデルマウス実験を予定していたが,施行の予定が立てられないので,大平共同研究者には分担研究からはずれていただく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ジストロフィン異常症患者を対象としたシルデナフィル短期投与の安全性・有効性評価を行う,さらに他に有用な治療評価マーカーの探索を継続する.これらの薬剤購入,検査費用などに研究費を充当する予定である.
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Research Products
(2 results)