2012 Fiscal Year Research-status Report
肝臓―膵β細胞間神経ネットワークを利用した膵β細胞増量治療の開発
Project/Area Number |
23591294
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 淳太 東北大学, 大学病院, 講師 (80431500)
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Keywords | 糖尿病 / 膵β細胞 / インスリン / 臓器間ネットワーク / 自律神経 |
Research Abstract |
これまでの我々の結果から肝臓のERK経路の活性化によって起こった神経シグナルは膵島に分布する迷走神経を介して膵β細胞にインスリン分泌と細胞増殖を促すことが明らかになっている。そこで本研究では迷走神経由来因子が膵β細胞増殖を促す分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。 1.培養膵β細胞、単離膵島細胞増殖における迷走神経由来因子の効果 膵島に分布する迷走神経末端から分泌されることが知られている神経ペプチドについて、単離膵島を用いてそれらを作用させた際の膵β細胞増殖効果を検討し、膵迷走神経由来因子を作用させることにより膵β細胞増殖が亢進することを見出した。また、神経由来因子を作用させた膵島を用いてマイクロアレイ解析を行い、パスウェイ解析やgene ontology解析を進めた結果、これらの因子の刺激により、膵島細胞において増殖につながる転写因子やその下流にある細胞周期関連蛋白の発現増加を見出した。 2.昨年度に引き続き、肝臓のERK経路を活性化したマウスの単離膵島を用いてマイクロアレイ解析を行い、変動している遺伝子を網羅的に検討した。その結果、本連関機構における膵β細胞増殖において重要な働きを示す転写因子を同定しつつある。現在この転写因子の膵β細胞特異的ノックアウトマウスなどを作成するためにfloxマウスを入手し、Creマウスとの交配を重ねた結果、実験に用いることができる状態までほぼ準備が整っている。今後これらのマウスを用いた解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
迷走神経由来因子による膵島細胞の増殖亢進について確認し、さらに膵β細胞増殖において重要な役割をする転写因子を同定しつつあることから概ね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
迷走神経由来因子による膵β細胞増殖において重要と考えられる、上記転写因子を含む遺伝子について膵β細胞特異的ノックアウトマウスを作成中であり、それらを用いた解析を行う。 さらに今後人員を増員して研究を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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