2011 Fiscal Year Research-status Report
摂食抑制ペプチドNesfatinー1の細胞内及びインビボでの作用機構の解明
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23591296
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
橋本 貢士 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30396642)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Nesfatin-1 / 摂食抑制 / 視床下部 / 膵β細胞 / 遺伝子 / Nesfatin-1受容体 / 細胞内シグナル伝達機構 / リン酸化CRE 結合蛋白(p-CREB) |
Research Abstract |
Nesfatin-1は摂食抑制効果を示す新規生理活性ペプチドであり、その活性中心であるM30ペプチドも同様の効果を持つ。Nesfatin-1はマウス視床下部単離ニューロンにおいて細胞内カルシウムを増加させ、膵島および膵β細胞系培養細胞にてインスリン分泌を惹起するが、その細胞内シグナル伝達経路は未だ不明である。今年度はNesfatin-1による組織特異的な細胞内シグナル伝達機構の解明を目的とした。マウス神経芽細胞腫由来のNB41A3細胞に種々のシグナル応答配列を付加した ルシフェラーゼレポーターを遺伝子導入し、Nesfatin-1添加によるレポーター活性を測定したところcAMP応答領域(CRE)レポーターの活性化を認めた。この活性化はM30でも認められ、変異M30ではこの活性化は消失した。さらにNesfatin-1はNB41A3細胞内のリン酸化CRE 結合蛋白(p-CREB)を増加させたが、細胞内cAMPの増加は認めなかった。MAPキナーゼ(MAPK)阻害薬およびL型カルシウムチャネル阻害薬により、M30によるCREBリン酸化反応は消失した。マウス視床下部とNB41A3細胞の膜分画を用いて、125I-Nesfatin-1によるレセプターアッセイを行うとKd値は各々約0.79nM、約0.165nMであり、Nesfatin-1との特異的結合を認めた。一方、膵β細胞系培養細胞ではp-CREBはNesfatin-1濃度依存的に減少した。マウス視床下部及びNB41A3細胞にはNesfatin-1受容体の存在が示唆され、Nesfatin-1は同細胞においてMAPKもしくはL型カルシウムチャネルの作用を介してp-CREBを増加させると考えられた。また膵β細胞ではNesfatin-1は中枢神経系とは異なるシグナル伝達経路を利用する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づいて研究を遂行し、その結果を適宜学会などで発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
中枢神経系と膵β細胞でのNesfatin-1受容体は異なる可能性が示唆され、組織特異的な受容体探索を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養に必要な試薬、物品、ラジオレセプターアッセイや遺伝子導入関連試薬の購入を行う。また研究成果発表のための旅費を計上している。
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