2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591309
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
勝田 仁 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50333240)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永淵 正法 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00150441)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 再生医療 / 糖尿病 |
Research Abstract |
1型糖尿病の根治を目指し、ES 細胞やiPS 細胞などの多能性幹細胞をはじめとして種々の細胞から膵β 細胞を再生する研究が進められている。しかし、インスリン産生細胞を誘導できたとする報告は幾つかあるものの、生体内の膵β 細胞のように血糖値に応じてインスリン分泌量を微細に調整するような臨床応用可能な充分に機能的な細胞の作出には成功していない。申請者は、これまでの研究で、膵SP細胞が、インスリン産生細胞へ分化することを証明し、膵β細胞の前駆細胞である可能性が高いことを見出している。本研究では、膵SP細胞がインスリン産生細胞への分化するメカニズムを解明し、得られた情報を基に、膵SP細胞をインスリン産生細胞へ分化誘導する作用をもつ物質の探索を行い、充分に機能的な膵β細胞を安全に再生する技術を開発を目指す。 平成23年度には、この膵SP細胞を胎児膵組織内で培養する技術を開発し、インスリン産生細胞へ分化誘導すること成功した。具体的には、(1)膵SP細胞を胎児膵組織内で培養しインスリン産生細胞へ分化誘導する。(2)インスリン産生細胞への分化の各段階にある膵SP 細胞をフローサイトメータにて回収する。(3)膵SP細胞がインスリン産生細胞に分化する過程での遺伝子発現の変化をマイクロアレイにて解析する、といった手順で研究を遂行し、現在は、この膵SP細胞がインスリン産生細胞に分化する過程での遺伝子発現の変化をマイクロアレイにて解析し、膵SP細胞からインスリン産生細胞への分化メカニズムを解明している段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
充分な基礎データに基づいて研究を立案しており、現段階までおおむね順調に進行している。具体的には、(1)膵SP細胞を胎児膵組織内で培養しインスリン産生細胞へ分化誘導する。(2)インスリン産生細胞への分化の各段階にある膵SP 細胞をフローサイトメータにて回収する。(3)膵SP細胞がインスリン産生細胞に分化する過程での遺伝子発現の変化をマイクロアレイにて解析する、といった手順で研究を遂行し、現在は、この膵SP細胞がインスリン産生細胞に分化する過程での遺伝子発現の変化をマイクロアレイにて解析し、膵SP細胞からインスリン産生細胞への分化メカニズムを解明している段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、 膵SP細胞からインスリン産生細胞への分化を誘導する物質を同定する。具体的には、平成23年度 のマイクロアレイ解析より得られる、膵SP細胞からインスリン産生細胞へ分化に関与する(1) 増殖因子やその細胞受容体、(2) 細胞内シグナル伝達系路、(3) 転写因子などの情報を基に、候補となる増殖因子、細胞内シグナル伝達経路の活性化剤や阻害剤などを選定し、以下のように数段階のスクリーニングを行い、膵SP細胞をインスリン産生細胞へと分化を誘導する作用をもつ物質(候補物質)を選定する。 平成25年度には、候補物質から実際に膵SP 細胞をインスリン産生細胞へ分化誘導する物質を選別する。(1 次スクリーニング)インスリン遺伝子の発現を誘導する物質を選別する。(2 次スクリーニング)インスリン蛋白の産生を誘導する物質を選別する。(3 次スクリーニング)分化誘導した細胞がグルコース応答性にインスリンを分泌するか検定する。 さらに、3 次スクリーニングにパスした物質を用いて誘導されたインスリン産生細胞を、膵β 細胞毒性をもつ抗生物質(ストレプトゾトシン)を投与することにより糖尿病を誘発したマウスに移植し、生体内でのインスリン分泌能を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(平成24年度)直接経費の使用計画は以下の通りである。実験用動物 20万円、SP細胞単離・培養用試薬 5万円、スクリーニング用試薬 30万円、化合物ライブラリー、60万円、生化学実験用試薬 15万円、旅費15万円、そのた(通信費、印刷費等)5万円、合計150万円。
|