2011 Fiscal Year Research-status Report
細胞接着シグナルによるマクロファージ泡沫化並びに動脈硬化性疾患の制御
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23591341
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 章 昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 動脈瘤 / 細胞接着斑 |
Research Abstract |
動脈硬化性疾患における細胞接着斑タンパク質hydrogen peroxide-inducible clone-5 (Hic-5)の役割を検討するため、動脈硬化モデルマウスであるアポEノックアウトマウスとHic-5ノックアウトマウスを交配し、ダブルノックアウトマウスを作成した。10週齢のアポEノックアウトマウスとダブルノックアウトマウスに12週間脂肪食を負荷し、大動脈の動脈硬化病変面積を検討すると、ダブルノックアウトマウスの大動脈動脈硬化病変面積はアポEノックアウトマウスの40%に抑制されていた(n = 7)。以上より動脈硬化病変の形成にはHic-5が重要な役割を果たしていることが示唆された。 アポEノックアウトマウスとダブルノックアウトマウスの背部にオスモティックミニポンプを埋め込み、アンジオテンシンIIを持続的に皮下投与(1000 ng/min/kg)すると、アポEノックアウトマウスの全例(n = 8)に腹部大動脈瘤の形成がみられ、そのうち3例は動脈瘤の破裂のために死亡した。一方ダブルノックアウトマウスには腹部大動脈瘤の形成が全くみられなかった。アポEノックアウトマウスの腹部大動脈瘤病変にはマトリックスメタロプロテイナーゼの発現が増加していたが、ダブルノックアウトマウスには発現が認められなかった。以上より、腹部大動脈瘤の形成にはHic-5が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動脈硬化モデルマウスであるアポEノックアウトマウスを用いて、動脈硬化病変の進展にHic-5が重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、アンジオテンシンII誘発性のマウス大動脈瘤モデルにおいて、HIc-5が動脈瘤の形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
動脈硬化病変形成や腹部大動脈瘤形成におけるHic-5の役割を分子レベルで明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスの飼育、細胞培養、試薬購入などのための消耗品に用いる。
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