2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591369
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
熊野 恵城 関西医科大学, 医学部, 准教授 (90396721)
|
Keywords | iPS cells |
Research Abstract |
レトロウイルスを用いたiPS細胞の樹立では外来遺伝子がゲノムに挿入されてしまい、それにより腫瘍細胞の特性が変化してしまう可 能性があるため、ゲノムに挿入されずにiPS細胞の樹立が可能であるepisomal vecterの系を用いてCML患者細胞由来iPS細胞(以下CML- iPS細胞と表記)に加え、骨髄線維症(MF)や本態性血小板血症(ET)などの骨髄増殖性疾患及び慢性骨髄単球性白血病(CMMoL)においてiPS細胞化に成功した。他の造血器腫瘍においても同様な方法によりiPS細胞の樹立を試みたが、現状では急性白血病症例においてはiPS細胞化に成功していない。造血器腫瘍細胞由来の場合は、さまざまなエピゲノムの変化により正常体細胞と比較してiPS細胞の樹立が困難である可能性があると考えられ、iPS細胞の樹立を促進することが知られている小分子化合物(バルプロ酸や酪酸など)の添加やshRNAによるp53経路の阻害を試みたが、依然として樹立には至っていない。さらにリプログラミングを促進する遺伝子としてLIN2 8, Glis1などの遺伝子群の追加導入によりiPS細胞の樹立を試みたが、不完全にリプログラミングされたコロニーを得るに留まった。 そこで来年度は白血病の原因となる遺伝子異常そのものが、iPS細胞化を妨げる可能性もあるので、既知の遺伝子異常を持つものに関しては、それらをレンチウィルスによる誘導的なshRNAを用いて一過性に抑制することによりiPS細胞化を試みる。このようにして、病 型に応じた最適なリプログラミング法を確立することを目指す。 その他遺伝性の血液疾患であるRunx1遺伝子異常による家族性血小板異常症(FPD)の患者の皮膚細胞からiPS細胞の樹立に成功した。FPD由来のiPS細胞から血小板の分化は著明に傷害されていたが、transcription activator-like effector nucleases (TALENs)を用いたRunx1の遺伝子変異の修正により、巨核球の産生は回復した。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] The IL-2/CD25 axis maintains distinct subsets of chronic myeloid leukemia-initiating cells.2014
Author(s)
Kobayashi CI, Takubo K, Kobayashi H, Nakamura-Ishizu A, Honda H, Kataoka K, Kumano K, Akiyama H, Sudo T, Kurokawa M, Suda T.
-
Journal Title
Blood.
Volume: 123
Pages: 2540-2549
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] The shortest isoform of C/EBPβ, liver inhibitory protein (LIP), collaborates with Evi1 to induce AML in a mouse BMT model.2013
Author(s)
Watanabe-Okochi N, Yoshimi A, Sato T, Ikeda T, Kumano K, Taoka K, Satoh Y, Shinohara A, Tsuruta T, Masuda A, Yokota H, Yatomi Y, Takahashi K, Kitaura J, Kitamura T, Kurokawa M.
-
Journal Title
Blood
Volume: 121
Pages: 4142-4155
DOI
Peer Reviewed
-