2013 Fiscal Year Annual Research Report
患者由来iPS細胞を利用した骨髄異形成症候群病態解析モデルの構築
Project/Area Number |
23591373
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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Keywords | iPS細胞 / 骨髄異形成症候群 / CD34陽性細胞 / 細胞初期化 / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
前年度、EF1αプロモーターを有するベクターシステムで失敗した経験から、今年度はTet-On(テトラサイクリンによって活性化するプロモーター)システムに変更した。これまでに分離・凍結保存してある患者由来骨髄CD34+細胞のうちいくつかを選択して、iPSCの樹立を試みた。同時に、対照として臍帯血(CB)由来CD34+細胞についても同一のプロトコールでiPS細胞の作製を行った。培地中のテトラサイクリン依存的に4つの初期化因子を発現するレンチウイルルスベクター(CS-TetO-4F3A-loxP)を1x105細胞に感染させた。CB-CD34+細胞については、2週間前後より、iPSC類似の形態を示す細胞塊が出現し、0.01%の確立で継代可能な細胞株が樹立できた。 いっぽう、2例のMDS患者由来CD34+細胞については、ウイルス感染後iPSC類似の形態を示す細胞塊が出現したものの、いずれも継代を重ねるとP2~3でコロニーは退縮し、iPSCの樹立はできなかった。同一検体を用いて2度繰り返したが、同様の結果であった。この理由が、エピゲノムの変化を含む細胞特性の差異に因るか否かは不明であるが、この時点でレンチウイルスをあきらめ、他の疾患iPSC作製で用いられているセンダイウイルスベクター(SeDV)に変更した。これは、医科研ステムセルバンクとの共同研究として行い、MDS-RCMD患者CD34+細胞由来iPSCの樹立に成功した。しかしながら、本症例はマーカーとなる染色体異常がないため、樹立されたiPSCがMDSクローン由来か、残存する正常細胞由来かの判別は遺伝子解析を要する。現在、RCMDで比較的高頻度に検出されるスプライシング関連遺伝子等の変異の有無を患者DNA検体についてスクリーニングしている。
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Research Products
(33 results)