2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591404
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
芦原 英司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70275197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平位 秀世 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50315933)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / 低酸素 / 骨髄微小環境 / がん幹細胞 |
Research Abstract |
O2濃度1%に設定した低酸素インキュベーター内で各種MM細胞株を培養し、自律的に増殖を続けるHA-MM細胞株の作成を試み、AMO-1、OPM-2、IM-9細胞株からそれぞれHA株の作製に成功した。それぞれの細胞増殖を解析したところ、低酸素環境では細胞増殖スピードはそれぞれHA株で有意に遅く、またdoubling timeは親株 vs HA株で、AMO-1、OPM-2、IM-9それぞれ23.9±2.5 vs 39.2±2.7日、24.5±1.9 vs 31.2±3.3日、16.3±0.4 vs 21.9±1.5日と有意にHA株で長かった。次にKi67/7-AADを用いた二重染色による細胞周期解析を行った。2nに存在するG0/G1分画のうち、Ki67陰性分画であるG0期(Cell Death Differ, 2010.)の細胞集団は、親株 vs HA株でAMO-1、OPM-2、IM-9それぞれ4.0±2.2 vs 9.4±4.9% (p<0.05)、3.9±1.4 vs 5.22±2.9% (p<0.05)、3.0±1.0 vs 8.6±3.0% (p<0.005)と有意にHA株で長かった。AMO-1親株 (Normoxia) とHA株を用いて正所性MM担癌モデルマウスを用いて生存期間の検討を行ったところ、HA株で有意に生存期間の短縮を認めた。以上よりMM-HA株は、がん幹細胞としての性質を有することが示唆された。HA株細胞におけるCD138抗原の発現をFCMで確認したが、CD138の発現低下(Matsui W, et al. Cancer Res, 2008.)は認めなかった。またHA株におけるWnt/beta-catenin/TCFシグナルの亢進の有無を、TCF-binding site/eGFP遺伝子の導入、及びウエスタンブロッティングで検討したが、亢進は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レンチウイルスを用いたTCF-binding site/eGFP遺伝子の導入後、安定した株の作製に時間を要し、wntシグナル解析の進捗が遅れている。また模擬チャンバーの製造に時間を要したため、模擬チャンバーにおける検討が停滞している。そのためMM担癌モデルにおける検討に切り替えているが、施設におけるマウスケージ収容に限界があるため、若干の進捗の遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
MM幹細胞標的分子の探索については、Wntシグナル以外の解析を進めるために網羅的遺伝子解析を行い、変化のあった分子の関連するシグナルを詳細に検討し、RNA干渉を用いて標的分子の同定を行う。また、骨髄微小環境におけるMM幹細胞維持能と低酸素環境における維持能を比較するため、骨髄間質細胞株MS-5と共培養することで、細胞周期解析、ならびに免疫不全マウスへの移植実験を行い、さらに標的分子の同定解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究の継続を基本に行う。低酸素適応株を骨髄間質細胞と共培養することで、細胞周期変化や細胞周期関連タンパクの発現やそのmRNAの発現を解析し、移植モデルを用いて幹細胞性を確認する。また、引き続きMM幹細胞維持に関わる候補分子の同定を行う。必要によりマイクロアレイ解析を行う。同定した分子をRNA干渉を用いてノックダウンし、骨髄腫細胞の幹細胞性の変化を確認する。低酸素適応株を骨髄間質細胞と共培養し、細胞周期変化やその関連タンパクの発現、移植モデルを用い幹細胞性の確認、幹細胞維持分子の同定を行う。RNA干渉によるノックダウン法にて、細胞動態の変化を確認する。
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Research Products
(19 results)