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2011 Fiscal Year Research-status Report

カンナビノイドによる炎症抑制作用の解明と関節リウマチの新規治療開発

Research Project

Project/Area Number 23591435
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

南木 敏宏  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座教員 (00282749)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮坂 信之  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30157622)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsカンナビノイド / 関節リウマチ
Research Abstract

カンナビノイド(CB: cannabinoid)は大麻の主成分であるが、その受容体であるCB1は主に中枢神経系に、CB2は免疫系細胞に発現しているため、CB2特異的リガンドは中枢神経への作用がなく、免疫系へ作用することが推測される。内在性のCBは近年免疫系への関与が注目されている脂質メディエーターである。本研究では、関節リウマチ(RA)におけるCBの治療への有用性とその機序を検討した。 RA滑膜組織でのCB2発現を免疫染色にて解析した。CB2はRA滑膜組織において、変形性関節症と比較し発現の亢進がみられた。蛍光二重染色ではCD68陽性マクロファージ、CD4陽性Tリンパ球、CD21陽性Bリンパ球、vimentin陽性線維芽細胞様滑膜細胞にCB2との共染性を認めた。RA滑膜組織において、CB2はこれらの細胞に発現していることが見出された。 CB2選択的アゴニストであるJWH133をコラーゲン関節炎(CIA)マウスに投与し、関節炎抑制効果を解析した。CIAマウスにJWH133を関節炎発症前より投与したところ、関節炎スコア、滑膜組織への炎症細胞浸潤、骨破壊の程度が有意に抑制された。さらに、関節炎発症後からのJWH133の投与においても関節炎スコアの抑制効果を認めた。 これらの結果より、CB2選択的アゴニストは、RA滑膜のマクロファージ、T細胞、B細胞、線維芽細胞様滑膜細胞に働き、関節炎抑制効果がある可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請書に記載した、当該年度の研究予定に関して、概ね予定通りに研究を進めることができ、研究実績の概要に記載したように良好な結果が得られている。

Strategy for Future Research Activity

CB2選択的アゴニストにより、マウス関節炎の抑制効果を認めた。その効果の機序を検討するため、in vitroにおいて、関節炎の病態に深く関与する、マクロファージ、T細胞、B細胞、線維芽細胞様滑膜細胞に対するCB2選択的アゴニストの炎症抑制効果を解析する。(1)マクロファージ:CB2アゴニストの破骨細胞分化・活性化への影響を解析する。末梢血単球を単離し、M-CSFおよびRANKL刺激により破骨細胞への分化が誘導できるが、その際にCB2アゴニストを投与する。分化した破骨細胞数を計測し破骨細胞分化への影響を観察する。また一旦破骨細胞に分化した細胞に、CB2リガンドを投与し、破骨細胞活性化への影響を破骨能の解析により評価する。(2)T細胞:RA患者末梢血よりT細胞を単離し、抗CD3, CD28抗体で刺激し、同時にCB2アゴニストを投与する。T細胞の細胞増殖、IFN-γ, IL-17などの炎症性サイトカイン産生、CD40Lなどの活性化分子の発現に対する抑制効果を観察する。(3)B細胞:RA末梢血よりB細胞を単離。抗イムノグロブリン抗体で刺激し、B細胞増殖、IL-6, TNF産生、ICOSL, BAFF-Rなどの発現に対するCB2アゴニストによる抑制効果を検討する。(4)RA線維芽細胞様滑膜細胞:RA滑膜より樹立した線維芽細胞様滑膜細胞を、TNFなどの炎症性サイトカインによる刺激時に、CB2特異的アゴニストを投与し、細胞増殖、炎症に関与するサイトカイン/ケモカイン、組織破壊に関与する分子(IL-6, MCP-1, SDF-1, fractalkine、MMP-3など)の産生抑制効果を解析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究試薬(細胞培養試薬、抗体、ガラス器具)、およびマウス購入費用など動物実験費に用いる。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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