2012 Fiscal Year Research-status Report
カンナビノイドによる炎症抑制作用の解明と関節リウマチの新規治療開発
Project/Area Number |
23591435
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
南木 敏宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座准教授 (00282749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30157622)
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Keywords | カンナビノイド / 関節リウマチ |
Research Abstract |
カンナビノイド(CB: cannabinoid)は大麻の主成分であるが、その受容体であるCB1は中枢神経系に、CB2は免疫系細胞に主に発現しているため、CB2特異的リガンドは中枢神経への作用がなく、免疫系に作用することが推測される。初年度の研究により、関節リウマチ(RA)滑膜組織のマクロファージ、線維芽細胞様滑膜細胞(FLS: fibroblast-like synoviocyte)、T細胞、B細胞にCB2の発現を見出し、またCB2特異的リガンドの投与によりモデルマウスの関節炎(コラーゲン誘導関節炎)が抑制されることを見出した。 当該年度(2年目)は、CB2特異的リガンドによる関節炎抑制の機序を検討するため、CB2特異的リガンドによるFLS、単球の活性化抑制、および破骨細胞分化抑制効果を解析した。In vitroで培養したRA由来のFLSもCB2を発現していることをwestern blotにて確認し、CB2特異的リガンド(JWH133)で刺激し、各種炎症メディエータの産生を解析した。TNF-α刺激により、FLSからのIL-6、MMP-3、CCL2の産生が亢進したが、JWH133の投与によりその産生亢進が抑制された。また、IL-1β刺激により末梢血単球からのIL-6産生が上昇亢進したが、JWH133の投与により抑制された。また、末梢血単球をRANKL、M-CSFで培養することにより破骨細胞に分化したが、JWH133は破骨細胞分化も抑制した。 以上の結果より、CB2特異的リガンドによる関節炎抑制は、FLS、単球の活性化抑制、破骨細胞分化抑制によることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した、当該年度の研究予定に関して、概ね予定通りに研究を進めることができ、研究実績に記載したように良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
CB2特異的リガンドによる免疫抑制効果をさらに検討するため、関節炎発症に重要と考えられている、T細胞活性化、T helper (Th)細胞分化に対するCB2特異的リガンドによる作用を解析する。 (1)末梢血T細胞を、抗CD3抗体で刺激し、IL-2、IL-4、IFN-γなどの産生を解析し、CB2特異的リガンドによる抑制効果の有無を検討する。 (2)末梢血ナイーブCD4 T細胞を、Th1、Th2、Th17分化状況下に培養し、CB2特異的リガンドによる各Th分化への影響を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究試薬(細胞培養試薬、抗体、ガラス器具)、およびマウス購入費などの動物実験費に用いる。
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Research Products
(1 results)