2013 Fiscal Year Annual Research Report
カンナビノイドによる炎症抑制作用の解明と関節リウマチの新規治療開発
Project/Area Number |
23591435
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
南木 敏宏 帝京大学, 医学部, 准教授 (00282749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医学部, 名誉教授 (30157622)
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Keywords | 関節リウマチ / カンナビノイド |
Research Abstract |
カンナビノイド(CB: cannabinoid)は大麻の主成分であるが、その受容体であるCB1は中枢神経系に、CB2は免疫系細胞に主に発現しているため、CB2特異的リガンドは中枢神経への作用がなく、免疫系に作用すると考えられている。 本研究により、関節リウマチ(RA)滑膜組織のマクロファージ、線維芽細胞様滑膜細胞(FLS: fibroblast-like synoviocyte)、T細胞、B細胞にCB2が発現している事を見出した。In vitroで培養したRA由来のFLSもCB2を発現しており、CB2特異的リガンド(JWH133)は、FLSからのtumor necrosis factor-α刺激によるinterleukin (IL)-6、matrix metalloproteinase-3 (MMP-3)、CC chemokine ligand 2 (CCL2)の産生亢進を抑制した。また、JWH133は、IL-1β刺激による末梢血単球からのIL-6産生亢進も抑制した。さらに、末梢血単球はreceptor activator of NF-κB ligand (RANKL)、macrophage colony-stimulating factor (M-CSF)で培養することにより破骨細胞に分化するが、JWH133はこの破骨細胞分化も抑制した。 モデルマウスの関節炎(コラーゲン誘導関節炎)にJWH133を投与したところ、関節炎が抑制された。滑膜組織への炎症細胞浸潤、関節の骨破壊の抑制効果も認めた。また、抗コラーゲン抗体価の低下もみられた。 以上の結果より、CB2特異的リガンドは、炎症性メディエータの産生や破骨細胞分化を抑制し、また自己抗体産生抑制作用により、関節炎に対する治療効果があると考えられ、RAに対する新規治療薬として期待される。
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