2012 Fiscal Year Research-status Report
インターロイキン17産生ヘルパーT細胞への分化に伴う細胞表面糖鎖構造の変化
Project/Area Number |
23591438
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大水 総一 香川大学, 医学部, 助教 (00444729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 光臣 香川大学, 医学部, 教授 (70109700)
仁木 敏朗 香川大学, 医学部, 助教 (40558508)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
βガラクトシド結合性レクチンであるガレクチン9はナイーブヘルパーT細胞から、Th17細胞への分化を抑制する。これまでの検討から、ナイーブヘルパーT細胞から、Th17細胞への分化誘導18から24時間後から現れたガレクチン9リガンド(糖鎖)とガレクチン9の結合により分化が抑制されることが明らかとなった。この際、既存の糖鎖が何らかの修飾受けた結果ガレクチン9リガンドとなる場合と、新たに合成された糖鎖がガレクチン9リガンドとなる可能性が考えられる。ほ乳類の場合、βガラクトシドの末端にシアル酸が結合している。シアル酸が結合したβガラクトシドの場合、ガレクチン9はほとんど結合しない。最近の報告で細胞膜表面にノイラミニダーゼと呼ばれるシアル酸解離酵素が存在することが報告されているため、Th17細胞への分化に伴いシアル酸が解離しガレクチン9結合性の高いリガンドとなることが考えられた。そこで該当年度ではまず、糖鎖末端のシアル酸に対して結合能をもつレクチンである、SNA等を蛍光色素でラベルしフローサイトメトリーにより、Th17細胞への分化に伴いシアル酸が解離しているかどうかを検討したところ、これは細胞表面全体のシアル酸解離状態に変化は見られなかった。一方、全体的な糖鎖のシアル酸解離ではなく、特異的な糖鎖に対するシアル酸解離がガレクチン9の作用を誘導することも考えられるため、ノイラミニダーゼの阻害剤を培養液に添加してTh17細胞への分化に対する影響を調べたところ、シアル酸の遊離を阻害してもTh17細胞への分化に対して影響を与えなかった。これらの結果からTh17細胞への分化にはシアル酸の遊離は影響を与えないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
該当年度の目的である、「糖鎖構造の変化機構の解析(1)ノイラミニダーゼによる可能性の検討」について結果が十分に得られたため。さらにもう一つの課題「単一細胞レベルでの表面糖鎖のプロファイリング法の開発」に関しても当初の目的である、レクチンの調整および実験条件の検討を行い、研究の方向性にめどがついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
該当年度の結果により、ガレクチン9によるナイーブヘルパーT細胞からTh17細胞への分化抑制には、シアル酸の遊離は影響を与えないことが明らかとなった。その検討の過程で「単一細胞レベルでの細胞表面糖鎖の新規プロファイリング法によるTh17細胞分化過程での細胞表面の糖鎖構造変化の解析」のための予備実験も行われたが、レクチンは糖鎖に対する特異性が非常に低く、例えば一般にシアル酸に結合するといわれているレクチンであるSNAとβガラクトシドに結合するガレクチン9を同時に染色し、フローサイトメトリーで解析したところ、その量比の違いにより染色性が異なった。つまりこれらのレクチンがお互いに同じ糖鎖も認識していることがわかり、マルチプルな解析にレクチンは不向きであることが明らかとなった。そこで本年度はシンプルに様々な種類のレクチンを単独で使用し、フローサイトメトリーにより、Th17細胞への分化に伴いそのレクチンの結合性が変化しているかどうかを検討する。変化が見られた場合、細胞表面糖鎖構造の変化がおこった細胞をセルソーターで分取し、その細胞がTh17細胞へ分化することを明らかにする。さらにガレクチン9により、その細胞のTh17細胞へ分化が抑制されることを示す。これらの結果により、Th17分化過程の細胞の糖鎖プロファイリングが明らかとなる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究遂行にあたり設備備品は一式そろっているので、研究に直接関わる経費、特に消耗品の費用が主として必要となる予定である。
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Research Products
(1 results)