2012 Fiscal Year Research-status Report
好酸球前駆細胞ステージ特異的IL-25レセプター発現の意義の解明
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23591463
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有信 洋二郎 九州大学, 大学病院, 助教 (90467928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 浩一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80380385)
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Keywords | IL-25 / 好酸球前駆細胞 / 顆粒球/単球系前駆細胞 / IL-17RB |
Research Abstract |
我々は昨年度までに、マウス好酸球前駆細胞(Eosinophil progenitor; EoP)が、マウス造血系における唯一のIL-17RB発現細胞であること、またIL-25やIL-17B刺激は、EoPのIL-13mRNA発現を上昇させる一方、EoPの増殖や生存には影響を与えないことを報告した。 (結果1) in vitro解析: 昨年度までの結果を蛋白レベルで確認した。mRNAレベルで認めたIL-25やIL-17B刺激によるEoPでのIL-13発現誘導は、蛋白レベル(Intracellular staining)では確認できなかった。 (結果2) in vivo解析: しかし、i.p.によるIL-25のin vivo投与にて、骨髄でのEoP分画の著明な増大を認めた。同様の作用はIL-17Bには認めなかった。結果1に示す様に、IL-25のEoPに対する直接作用は証明できていない為、骨髄でのIL-25によるEoP分画増大は、EoP以外の集団にIL-25が作用した結果生じた可能性を考えた。 (結果3) IL-17RB発現GMPは、大半が好酸球に分化する: 骨髄球系細胞でのIL-17RB発現細胞を再検討した。EoP以外に、顆粒球/単球系前駆細胞(Granulocyte/monocyte progenitor; GMP)にわずかにIL-17RBを発現を認めた。IL-17RB陰性GMPを培養すると様々な骨髄球系細胞に分化し、GMPとしての多分化能が維持されていたのに対し、IL-17RB陽性GMPは、大半が好酸球に分化した。好酸球への系統選択は、IL-17RB陰性GMPがIL-17RB陽性GMPに分化する段階で起こっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請時の実験計画では、EoPに対するIL-25の作用を中心に研究を進める予定であった。しかし、研究実績の概要に示した様に、解析の中心が、EoPからGMPに移りつつあり、計画とは若干異なってきている。 IL-25の作用は、末梢でのアレルギー性炎症惹起作用ではなく、中枢での分化制御作用である可能性が考えられ、大変興味深い。今後は、研究対象細胞を拡大して、更に実験を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究対象細胞に、EoPのみでなくGMPも含め進めていく。 (計画1)IL-17RB発現GMPに対するIL-25の作用: IL-17RB発現GMPは大半が好酸球に分化する。しかし、現在までにIL-25がIL-17RB発現GMPに直接作用して、好酸球への系統を選択させているのか、または生存増殖をサポートしているのかは不明である。IL-17RB発現GMPに対するIL-25の作用(系統選択、生存、増殖)を、single cell colony assay、Ki-67染色、アネキシン染色、サイトカイン産生能(qPCR, Intracellular staining)などにて探索する。 (計画2)IL-17RB発現細胞GMPへの系統選択メカニズム: 計画1にて、IL-25のIL-17RB発現GMPへの作用が確認されなかった場合でも、GMP stageにおけるIL-17RB発現が好酸球への系統選択を標識していることは変わらない。IL-17RB陽性/陰性GMPの遺伝子profilingを行い、GMP stageにて好酸球への系統選択を決定している因子を探索する。同定した遺伝子の導入実験により、実際に系統選択が制御されているかを検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の様に、当初の実験計画とは方向性がやや異なってきた為、予定の遅延、研究費の繰り越しが生じている。次年度は、解析細胞集団を拡大した上で、予定通りの実験、更にはより発展した実験を遂行したい。 (1)当初の実験計画に沿った実験費用として: 各種サイトカイン、FACS用抗体、qPCR, ELISA, Intracellular staing用試薬、マウスの購入・維持、各種学会への参加 (2)解析細胞の拡大に伴う実験費用として: GMPに対するmicroarray解析、遺伝子導入用コンストラクトの作成
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[Journal Article] Serum progranulin levels are elevated in patients with systemic lupus erythematosus, reflecting disease activity.2012
Author(s)
Tanaka A, Tsukamoto H, Mitoma H, Kiyohara C, Ueda N, Ayano M, Ohta SI, Inoue Y, Arinobu Y, Niiro H, Horiuchi T, Akashi K.
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Journal Title
Arthritis Res Ther.
Volume: 14
Pages: R244
DOI
Peer Reviewed
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