2011 Fiscal Year Research-status Report
日本人小児低身長症の疾患関連遺伝子同定と分子機構の解明
Project/Area Number |
23591499
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 寛 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 特任教授 (20294639)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 光夫 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (60134227)
山下 裕紀子 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 特任助教 (40532502)
寒川 奈津美 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 技術補佐員 (50597599)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 低身長症 / 遺伝子変異 / グレリン受容体遺伝子 / GH放出ホルモン受容体遺伝子 / GWAS |
Research Abstract |
今年度は、申請者が全国の小児内分泌医の協力の下に収集した日本人低身長症患児およびその家系(計127家系)を対象に、低身長症原因候補遺伝子の変異解析を網羅的に実施し、その成果を論文として発表した。今年度の補助金は、主に研究を遂行するための物品費および人件費にあてられた。1. グレリン受容体(GHSR)遺伝子におけるミスセンス変異ΔQ36、P108L、C173RやD246A、またGH放出ホルモン受容体(GHRHR)遺伝子におけるexon 12のスプライス変異E382E(c.1146G>A)とプロモーター領域Pit-1 P2 エレメントにおける変異ATG-166T>C、ATG-164T>Cを見出し、これら変異の機能的影響を生化学的に実証した(JCEM 96:E373-8, 2011; Clin Endocrinol 74:223-33, 2011)。2. GHSRは強力なGH分泌促進作用を有するグレリンの働きに必須の分子であり、その遺伝子発現レベルが最終身長また生理的発育の個体差を規定する因子の1つである可能性があるため、GHSR遺伝子の転写制御機構をラットモデルで検討した。GHSR は視床下部および下垂体において高発現していることが知られていたため、まずラットGHSR 遺伝子の5’側上流のゲノム構造を決定、プロモーター解析を行った。ラット下垂体由来細胞株から、内在性GHSR mRNA を高発現する細胞をサブクローニング法により確立し、非発現細胞株との比較などから、GHSR 遺伝子プロモーター領域に存在するCpGアイランドのメチル化の程度がGHSR mRNA 発現とよく相関することを見出した(Mol Cell Endocrinol 345:1-15, 2011)。3. 低身長症患者において、GWAS-identified身長関連遺伝子のディープシークエンスを精力的に行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本人低身長症の原因遺伝子変異について2つの論文を発表し、学会報告した。またGWAS-identified身長関連遺伝子の変異スクリーニングについて、解析予定の20遺伝子のうち55%(11遺伝子)がすでに終了している。さらに韓国の内分泌研究グループ(Asan Institute for Life Sciences, University of Ulsan College of Medicine)との共同研究により、次世代DNAシークエンサーを用いたヒトエキソーム解析による変異スクリーニングにも着手している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究はおおむね順調に進展しており、次年度も計画通り実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、主に研究を遂行するための物品費にあてる計画である。
|
Research Products
(6 results)