2011 Fiscal Year Research-status Report
細胞増殖・血管新生分子イメージング:がん分子標的薬の早期治療効果評価法の確立
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23591742
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
趙 松吉 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80374239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西嶋 剣一 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (60364254)
竹井 俊樹 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60374493)
志賀 哲 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374495)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | がん分子イメージング / がんの分子標的療法 / 細胞増殖 / 血管新生 / PET / SPECT |
Research Abstract |
「研究目的」:細胞増殖・血管新生など、がんの分子レベルのプロセスを画像化しうる核医学分子イメージングを用いた新しいがんの治療効果評価法を確立すること、さらには、これをがんの分子標的薬の早期治療効果判定と治療戦略に役立てることである。1)がんの分子標的療法(Bevacizumab)の早期治療効果判定における18F-FLT有用性について、A431担がんマウスを用いて検討した。Bevacizumab治療により腫瘍への18F-FLT集積はKi-67 index,CD31発現の低下とともに腫瘍サイズの変化より前に低下した。Bevacizumabの分子標的療法に対する腫瘍の反応も、FLT-PETにより早期に検出できる可能性が示された。2)がんの分子標的療法(Cetuximab)の早期治療効果判定における18FLT-PETの有用性について、NCI-H1975担がんマウスを用いて検討した。Cetuximab治療により18F-FLT の腫瘍集積は、腫瘍サイズの変化より前に低下した。18F-FLT-PETにより、Cetuximabの分子標的療法に対する腫瘍の反応を早期に検出できる可能性が示された。3)がんの分子標的療法(Cetuximab)の早期抗血管新生の治療効果判定における18F-FMISO-PETの有用性について、NCI-H1975担がんマウスを用いて検討した。Cetuximab治療により18F-FMISOの腫瘍集積と腫瘍内血管数は、腫瘍サイズの変化より前に低下した。18F-FMISO-PETにより、Cetuximabの抗血管新生の治療効果を早期に検出できる可能性が示された。4)血管新生を標的とする新規SPECTのイメージング剤・123I-IIMUのイメージングについても、基礎的検討を行った。siRNA導入によるTP発現の低下に伴って、125I-IIMU の腫瘍集積も低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
がんの分子標的薬の治療効果評価のための核医学分子イメージングを確立するため、多種担がんモデル動物を用いて、以下の実験を行い、分子標的治療効果と腫瘍容積変化の時間的タイミング、イメージング剤と撮像法、治療とイメージングのタイミング等に関した基礎実験を行い、予定以上の実験データを得られた。すなわち、1)モデル動物と治療法 2)核医学的分子イメージングの確立 3)組織摘出法とオートラジオグラフィー法 4)分子標的薬の治療効果評価 5)分子生物学的・病理組織学的検討において、「研究目的」を達成するための平成23年度の「研究実施計画」をすべてクリアできた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)臨床研究のため基礎データを提供:平成23年度と同様に基礎実験により、多種担がんモデル動物において、細胞増殖・血管新生イメージング法について比較する。すなわち、担がんモデル動物を用いて、 上記の核医学分子イメージングにより得られた画像情報の変化と分子生物学的・病理組織学的手法より得られた腫瘍組織内の"がんの特定分子"の変化を対比する。これらの結果から、最適な核医学分子イメージング法を考案し、臨床研究のために確実な基礎データを提供する。2)普遍性の検証と臨床への展開:上記実験の結果に基づき、臨床診断への応用が可能な新しいがんの治療効果評価法を考案し、その普遍性を検証するとともに臨床への展開を目指す。基礎研究では、考案した分子イメージング法を異なった多種担がんモデル動物に応用して、上述と同様の検討を行い、普遍性を検証する。臨床研究では、得られた分子画像情報を生検・手術標本における検査結果、臨床診断結果、及び他の画像診断結果と対比することで、核医学分子イメージング法により"がんの特定分子"の機能把握が可能か否か、さらには、治療戦略への応用に役立てうるか否かを検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内旅費:日本分子イメージング学会(3日間)100千円外国旅費:米国核医学会(7日間)300千円実験動物:400千円放射性薬剤・標識化合物・抗体・染色用試薬等:400千円;物件費:2.94千円(平成23年度残額)印刷等:100千円
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] FMISO PET can early evaluate antiangiogenic response to anti-EGFR molecular-targeting therapy (cetuximab) in human lung cancer xenograft.2011
Author(s)
Zhao S, Kuge Y, Zhao Y, Takeuchi S, Murakami M, Li H, Nusrat F Chouwdhury, Nishijima K, Dosaka-Akita H, Tamaki N.
Organizer
The 58th Annual Meeting, Society of Nuclear Medicine
Place of Presentation
The H.B. Gonzalez Convention Center (USA)
Year and Date
2011.6.6
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