2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591748
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
細矢 貴亮 山形大学, 医学部, 教授 (50143102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 敦子 山形大学, 医学部, 助教 (10333965)
鹿戸 将史 山形大学, 医学部, 助教 (90400572)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 脳動脈解離 / 壁内血腫 / MRI / T1強調像 |
Research Abstract |
拡散強調画像の原理を応用したMultislice Motion-Sensitized Driven Equilibrium (MSDE)をvolume T1強調像に適応することにより血流信号を無信号化することができ、血管イメージングおよびT1強調像のボリュームイメージングとして期待できる。本法で得られる画像の空間分解能、CSFとのコントラストの改善を図り、日本人に発生頻度が高い後頭蓋窩の脳動脈解離症例に適用した。 初年度は、血管造影所見、T1強調像における壁内血腫、および経過観察における所見の変化から、7例(49-70歳、平均52.9歳)が脳動脈解離と診断できた。いずれの症例も発症から1週間以内に初回検査を施行できており、通常の撮像に加えてMSDEを用いたvolume T1強調像とT2*強調画像を撮像した。 MSDEを用いたvolume T1強調像では、7例中6例において急性期動脈解離における等~高信号の壁内血腫を描出できた。T2*強調画像では4例に、拡散強調画像では2例で異常が検出できたにすぎず、MSDEを用いたvolume T1強調像の検出率が優れていた。壁内血腫は、通常1週間経過するとT1強調像で高信号になることが知られているが、壁内血腫が検出できた6例中3例では、経過中等信号のままで高信号を示すことはなかった。不安定な偽腔の状態を示す所見と推察され、動脈解離の病態を考える上で重要な知見と思われた。 以上の成果は第71回日本医学放射線学会総会において公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、拡散強調画像の原理を利用したMultislice Motion-Sensitized Driven Equilibrium (MSDE)を7名の患者に適用し、症例数は少ないものの一定の成果が得られた。画像診断法を確立するには症例数が不足しており、今後の症例の蓄積に期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度同様、症例を蓄積する。 等信号の壁内血腫を明瞭に観察できることは判明したが、経過中全く高信号を示さない症例が複数例観察された。これまでの知見では説明できない所見であり、解離の確定診断法として疑義が生じる結果である。解離ではない可能性を含めて、画像の詳細な解析を進める必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
画像解析および統計解析に必要なソフトや消耗品、成果発表や新たな画像診断法の情報収集のための旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)