2011 Fiscal Year Research-status Report
18FコリンーPETを中心とする複合的分子イメージングによる前立腺癌診断の検討
Project/Area Number |
23591793
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
坂本 攝 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40344402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楫 靖 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10273947)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 画像診断 / ポジトロン断層撮像 / [18F]コリン / MRI |
Research Abstract |
18F-コリン-PETの合成は薬剤部柴田氏らの合成条件の調整などの努力により薬剤の品質、収量安定の両面で順調に行うことができている。これまでのところ薬剤供給が原因で検査が施行できなかった例は発生していない。 獨協医科大学病院泌尿器科を受診し、前立腺癌あるいはその疑いがあり、手術療法、放射線治療やホルモン療法、化学療法(併用を含む)開始前の患者計24名の方に対し、平成23年度には18F-コリン-PETを計24件実施した。なお前立腺癌治療後の再発診断(2回目あるいは3回目のPETを想定)に関しては、これまでのところ対象患者がおられず実施していない。 詳細な読影実験はより症例が増加してから行う予定である(読影担当の人数は限られ、何度も行うと正確性を失う可能性があるため)が、骨転移など遠隔転移に関して概ね良好な成績であろうという印象をもっている。いまだ経過が短い方では臨床的に経過を観察されている。 興味深い結果として、前立腺癌の病期診断として18F-コリン- PETを行った方で、右肺上葉のすりガラス影を含む肺結節に一致した集積亢進を認めた方がおられる。気管支鏡による精査にて肺腺癌が検出され、予期していなかった原発性肺癌が発見され、同PETにより治療方針の変更につながった例と考えられる。他には糖尿病のある方で軟部組織への集積が高めで18F-コリン- PETの画質が不良となった可能性のある例も経験した。 治療前のMRIに関しては、他院で既に低磁場のMRIを実施されたあとで、18F-コリン-PETを考慮されて依頼される場合がある。この場合18F-コリン-PETとMRIの実施の日が離れていること症例があり、診断モダリティの比較の際には解析対象から除外しなくてはならないかもしれない。本研究に限らず、一般的に臨床研究において経験されることではあるが、平成24年度以降の課題と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経過観察期間がいまだ短い方が多く、詳細な読影実験は行い得ていないものの、[18F]コリン-PET件数に関しては当初予定した20名を超えており、順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究参加者の募集と参加に同意が得られた前立腺癌疑い患者に[18F]コリン-PET/CTを行う。診療の流れの中で[18F]コリン検査を行うとともに、2回目,3回目のPETを行い引き続きMRIなど他の検査所見と合わせて臨床上活用しつつ、泌尿器科にて患者の診療を行う。平成24年度の途中で、初発診断に関して、および治療効果判定に関して、学会発表および論文化する予定である。治療効果判定に関しては、統計解析を行うに十分な症例が得られない場合は、平成25年度に行うことになる可能性がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
[18F]コリン-PET/CT実施における薬剤合成において必要な18O-水や試薬、チューブやフィルタなど消耗品の購入に充てるとともに、学会発表のため旅費、論文化する際の校正費などに充てる予定である。
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