2013 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化プロテオーム情報を基盤とした放射線感受性機構の解析と予測法の開発
Project/Area Number |
23591834
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎本 敦 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20323602)
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Keywords | リン酸化プロテオーム / STK38 / 放射線増感 / チェックポイント制御 |
Research Abstract |
STK38は、PKB/PKCなどと同じAGCグループに属するプロテインキナーゼである。哺乳類細胞においては、中心体複製やストレス応答シグナル制御に関わっていることが明らかにされている。私は、これまで、様々な癌細胞株において高いSTK38活性が保持されていること、STK38がX線や過酸化水素などの酸化ストレス特異的に活性化されること、HSP90阻害剤17-AAGの標的となること、STK38のノックダウンは顕著な放射線増感を誘導することなどを報告してきた。しかしながら、現状では、哺乳類細胞におけるSTK38の活性化の意義については、ほとんど解明されていない。そこで、STK38の放射線感受性制御に関わる意義を明らかにするためにリン酸化プロテオーム解析(プロテインアレイ、二次元電気泳動、質量分析)を駆使してSTK38の基質探索を行った。これまでに、in vitroにおける基質として30種以上のタンパク質を同定したが、それらの中には、DNA修復、チェックポイント制御、アポトーシス誘導などの放射線細胞応答を制御する因子が複数含まれていることが判明した。それらの中でも、STK38は、CDC25Aファミリーの1つをin vivoにおいてもリン酸化し、そのリン酸化部位変異体の解析からSTK38がCDC25ファミリーの安定性およびDNA損傷誘発G2チェックポイント制御に関わっていることが明らかとなった。これまでの結果から、STK38を標的とした放射線増感メカニズムの一因として、DNA損傷誘発CDC25ファミリーによるG2チェックポイント制御からの逸脱の可能性が示唆された。
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[Journal Article] Anti-tumor activity of olaparib, a poly (ADP-ribose) polymerase (PARP) inhibitor, in cultured endometrial carcinoma cells.2014
Author(s)
A. Miyasaka, K. Oda, Y. Ikeda, O. Wada-Hiraike, T. Kashiyama, A. Enomoto, N. Hosoya, T. Koso, T. Fukuda, K. Inaaba, K. Sone, Y. Uehara, R. Kurikawa, K. Nagasaka, Y.Matsumoto, T. Arimoto, S. Nakagawa, H. Kuramoto, K. Miyagawa, T. Yano, K. Kawana, Y. Osuga, T. Fujii.
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Journal Title
BMC Cancer
Volume: -
Pages: 掲載確定(印刷中)
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evaluation of zinc (II) cheletors for inhibiting p53-mediated apoptosis.2013
Author(s)
A. Morita, S. Ariyasu, S, Ohya, I. Takahashi, B. Wang, K. Tanaka, T. Uchida, H. Okazaki, K. Hanaya, A. Enomoto, M. Nenoi, M. Ikekita, S. Aoki, Y. Hosoi.
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 4
Pages: 2439-2449
Peer Reviewed
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