2012 Fiscal Year Research-status Report
体内空間創造による難治癌に対する新規放射線治療法の開発
Project/Area Number |
23591840
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村岡 修 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (20283765)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
福本 巧 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70379402)
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80351906)
|
Keywords | 体内スペーサー / 放射線治療 / 粒子線 |
Research Abstract |
我々はこれまでの研究成果で、ポリグルコール酸を用いた吸収糸を不織布加工した吸収性スペーサーを開発した。今年度は臨床応用を目指して、不織布の厚みを変えて実験動物の腹腔内に埋め込み、吸収速度・吸収様式・生体に与える影響を観察・評価した。吸収の過程で、炎症性細胞の浸潤を認めたが、短期的には生体に重篤な障害は認めなかった。臨床応用のためには長期的な副作用を確認する必要があり、今後も経過観察を続ける予定である。また、今回得られた吸収速度のデータから、不織布の織り方・糸の太さなどを工夫して、体内スペーサーとして性能を満たす製品の開発を目指す。 さらに、体内にスペーサーを埋植した実験動物に粒子線を照射したところ、埋植していない動物では、早期に顕著な体重減少を認めた。解剖して腸管壁の評価をしたところ、スペーサーを埋植した個体では腸管絨毛に明らかな変化は認めなかったが、スペーサーを埋植していない場合は腸管絨毛の脱落が明らかであった。我々は体内スペーサーにより腸管を照射野外へ移動させ腸管への線量を低下させることができたと考えている。 これまではマウスを用いた動物実験を行っていたが、臨床応用に向けて、大型二本足動物を用いた動物実験も施行している。実験結果はまだ解析中であるが、これらのデータが今後の応用に直接的にかかわってくるものと思われる。 本研究で、我々は自然吸収性の手術糸を用いて独自の体内スペーサーを開発し、特許出願している。現在は海外移行手続きを行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的なデータの収集はほぼ完了したと思われるが、実際の製品作成までには至っていない。しかし、実際の使用を想定した実験を行っており、達成度は75%と考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は製品の仕様を決定するとともに、実際の状態に近い大型動物での実験を行う。 引き続き、臨床試験の協力施設を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、製品作成と動物実験が多くなると思われる。
|