2012 Fiscal Year Research-status Report
ドナーソースとしての膵外分泌細胞の有用性に関する検討
Project/Area Number |
23591856
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関口 悟 東北大学, 大学病院, 講師 (20312580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 昌史 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (50400453)
赤松 順寛 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (50302112)
里見 進 東北大学, その他部局等, 総長 (00154120)
小川 則彦 東北大学, 大学病院, 助教 (60617108)
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Keywords | ドナーソース / 膵外分泌細胞 / アデノウイルス |
Research Abstract |
1. 昨年度に引き続き、Ngn3, Maf-AおよびPDX-1のDNA配列を再度確認し、以前使用した配列とは若干異なる、蛍光マーカーを搭載した組換えアデノウイルスベクター作成を再度業者に依頼し作成した。新たに作製したアデノウイルスベクターを濃度および細胞数更には、培地をかえて膵外分泌細胞由来のAR42J細胞に感染させ、蛍光法を用いて各遺伝子が導入されやすい適切な条件を見いだし、導入効率および死細胞数の程度を確認した。個々因子を遺伝子導入する場合は、前回と比べ若干遺伝子導入の効率は上がったものの、死細胞の数に変化は無く、死細胞割合についてはアデノウイルスベクター使用による影響と考えられた。同時に3個の遺伝子導入を試みるも、導入効率は上がらず、さらに死細胞の数が増加し、必要な遺伝子をすべて発現している細胞を得ることは残念ながらできなかった。 2.マウス外分泌細胞にアデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入を行い、同種腎皮膜下移植実験へと進むため、引き続きマウス膵臓より、膵外分泌細胞を単離、培養する方法を探っているが、膵臓をコラゲナーゼで融解した後、濃度勾配遠心にて内分泌腺を除いた後、単細胞にするためディスパーゼで処理する際に、腺管細胞の混入をさけられ無いこと、粉々に砕けた内分泌細胞の混入がさけられないこと、ディスパーゼの濃度を濃くすると、細胞の拡散は良くなるものの、死細胞の数が多くなるなど、依然として単離、均一な細胞集団を得ることが困難な状況である。コラーゲナーゼの量、Lot. No.、ディスパーゼの変更などを加え、遺伝子導入に至適な条件で最適な細胞を得る方法を探しているが、現在のところ導入に至適な条件を見つけ出すには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大震災の影響で、実験環境が整うまでに時間がかかった。そのため、遺伝子導入効率が悪く、再度アデノウイルスベクターを作製し直し、再度至適条件の確認作業となったため、実験が大幅に遅れることとなった。 また、3つの因子の発現を同時に行うため何度も導入を繰り返すと、導入細胞が弱ってしまうことも遅ている要因の一つとなっている。マウスよりの膵外分泌細胞の単離については、研究の正確性を確保するためなるべく、純粋な細胞で遺伝子導入を試みるべきであると考え、その細胞集団を得る方法を試行錯誤して繰り返している状態で、遺伝子導入実験まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
① 3つの因子を一度に導入、発現できるベクターの作成を試み、導入細胞に負担の少ない遺伝子導入、効率的な遺伝子発現を探る。 ② 継続して膵臓外分泌細胞の効率的で、純粋な分離を行えるような条件や、薬剤(蛋白分解酵素阻害剤等の使用)を試しながら、遺伝子導入に耐えうる細胞の分離、培養を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初の計画の遅れにより、遺伝子導入実験に至らなかったため生じたものであり、次年度以降に実施する遺伝子導入実験に必要な消耗品費(ARJ細胞及び細胞培地、PCRプライマー等)として、平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。
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