2013 Fiscal Year Annual Research Report
外科侵襲後の免疫不全の病態解明と腫瘍免疫に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
23591886
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
小野 聡 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 准教授 (30531355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 広紀 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (80554998)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (70531391)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 助教 (30531636)
長谷 和生 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (50511268)
齋藤 大蔵 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 教授 (90531632)
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Keywords | 腫瘍免疫 / 感染 / 肝転移 / NK細胞 |
Research Abstract |
消化器系悪性腫瘍において、術後感染性合併症の発症が長期予後を増悪させるという臨床報告が最近蓄積されてきている。しかし、この観察事象を裏付ける実験的検討はない。そこでその機序解明のため、動物モデルの確立と感染性合併症発症時の宿主の免疫学的検討が不可欠であると考えられる。我々はマウス大腸癌細胞Colon-26を親株とする高肝転移マウスに、盲腸結紮穿刺法 (cecal ligation and puncture model;以下CLP)による腹膜炎敗血症モデルを作成し、肝転移に及ぼす影響について検討した。その結果、敗血症マウスでは腫瘍接種後7日目に肝転移を認め、14日後には多数の肝転移が認められたのに対し、非敗血症マウスでは少数の肝転移のみであった。そこで肝臓でのinterleukin-12濃度や抗腫瘍活性を比較したところ、敗血症群では非敗血症群に比べ有意に低値で、さらに敗血症群では肝単核球数の有意な減少、特にnatural killer(NK)細胞の分画が著明に低下していることが明らかになった。そこでNK細胞のパーフォリン・グランザイム活性を検討したところ、やはり敗血症群で肝NK細胞におけるパーフォリン陽性細胞数が有意に低値であった。以上の結果から、敗血症時の肝内におけるIL-12p70産生能低下は、NK細胞やNKT細胞などを介したインターフェロンγの産生低下につながり、それがNK細胞の不活化につながっている可能性が考えられる。 今回検討では、高肝転移+CLPモデルマウスを用いて、感染性侵襲が腫瘍の肝転移促進にどのように関与しているのかを、宿主側の肝におけるNK細胞数・機能低下という観点から明らかにすることができた。したがって、今後はNK細胞の賦活化が感染性侵襲をともなう担癌患者に対する抗腫瘍治療戦略の一手段となる可能性が示唆された。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Predictive value of pleural and serum interleukin-6 levels for pneumonia and hypo-oxygenations after esophagectomy2013
Author(s)
Tsujimoto H, Takahata R, Nomura S, Kumano I, Matsumoto Y, Yoshida K, Hiraki S, Aosasa S, Ono S,Yamamoto J, Hase K.
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Journal Title
J Surg Res
Volume: 182
Pages: e61-67
Peer Reviewed
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