2013 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的チロシンキナーゼ解析による胃癌新規治療標的分子の探索
Project/Area Number |
23591930
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 誠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50444518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧口 修司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00301268)
宮田 博志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80362713)
黒川 幸典 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10470197)
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Keywords | 胃癌 / 網羅的発現解析 / 腹膜播種 |
Research Abstract |
前年から継続して進行胃癌におけるチロシンキナーゼの網羅的遺伝子発現解析の結果から、予後に関連する分子の同定を行った。そこでHer2/Neuというこれまでにも胃癌での過剰発現および予後関連因子として報告のある分子が同定された。この分子はすでに発現を抑制する抗体(トラスツズマブ)が保険適応にもなっており、新規に同定された予後因子ではない。しかしながら、Her2の発現と下流のシグナルの活性の関連を解析したところ、Her2の発現と活性化が必ずしも一致しないことが判明した。したがって、Her2の下流での制御存在すると考え、網羅的遺伝子発現解析結果を用いてHer2の下流分子の発現解析を行ったところ、Her2のネガティブレギュレーターであるDOK2の発現が予後に関連することが明らかになった。DOK2の高発現する症例では、低発現の症例に比べて有意に予後が良好であり、独立した予後因子であった。また、このDOK2の発現はゲノム数と強い関連をしめしており、haploinsufficientな胃癌抑制遺伝子である可能性が示唆された。この結果は論文(Annals of Surgical Oncology)に報告した。 また、胃癌術後の再発に関連するチロシンキナーゼとしてFGFR1を同定した。FGFR1高発現症例のうち、腹膜播種に関連する分子をさらに解析したところ、FGFの下流にあるREGIV遺伝子の発現が腹膜播種再発に関連することが明らかになった。さらに、手術時に採取した腹腔内洗浄液を用いて、REGIV遺伝子発現と腹膜播種再発との関連を解析したところ、REGIV高発現症例では有意に腹膜播種再発が高頻度であることが明らかになった。この結果は論文(Journal of Surgical Oncology)に報告した。
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