2012 Fiscal Year Research-status Report
蛍光発現ウイルスを用いた血中循環がん細胞の分離による高感度遺伝子解析技術の開発
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23591932
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
香川 俊輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (00362971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 俊義 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00304303)
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Keywords | 末梢血循環腫瘍細胞 / 大腸癌 / アデノウイルス |
Research Abstract |
研究課題における目的は担癌患者の末梢血中に循環していると報告されている腫瘍細胞(circulating tumor cell、CTC)を我々の研究室で開発した腫瘍細胞特異的にGFP蛍光タンパク質を発現するアデノウイルスTelomescanにより可視化し、検出すること、さらにはその検出された腫瘍細胞を回収し、ごく少量の細胞において遺伝子解析を行うことを目的としている。 23年度の研究成果を踏まえCTCと似た状況を想定し、遺伝子解析の検出限界を検討した。KRAS遺伝子のcodon12に変異を有するSW480細胞に加え、KRAS遺伝子変異のあるHCT116, BRAF遺伝子変異のあるHT29細胞を用いて、血液中に混在させた癌細胞をTelomeScanによるGFP陽性細胞のsortingで抽出し、PCRで増幅後にKRAS遺伝子に関するシークエンス解析を行ったところ、血液中に10個の癌細胞が存在する場合に遺伝子変異解析でも既知の遺伝子変異が検出可能であった。学内の倫理委員会でのCTC遺伝子解析に関する臨床研究プロトコールの承認を受け、臨床検体での解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
末梢血内に存在するCTCの遺伝子解析により既知のKRAS遺伝子変異に関しては可能であることが確認できることを確認した上で、条件設定を調整し、担癌患者の臨床サンプルでの解析を開始したことより、重要な部分は達成できたと考える。当初計画していた遺伝子のメチル化の検出については、遺伝子変異の検出が予想より難航したために、そこまで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度検討したCTCの抽出採取からKRAS遺伝子の変異検出方法を踏まえ、25年度も引き続き臨床での大腸癌の担癌患者において、末梢血を採取し、そのCTCの検出とその遺伝子解析が可能かどうかを検討する。極少量の細胞からの遺伝子解析が想定以上に困難であることから、臨床サンプルでのCTC検出からのKRAS、BRAF遺伝子変異のに注力し、確実に成果を得る。えられた結果に関して、学会での報告、論文執筆を積極的に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子解析に必要なプライマー、酵素、試薬の購入費用に使用する予定である。 また研究発表のための旅費、校閲などにも使用する予定である。
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Research Products
(3 results)