2013 Fiscal Year Annual Research Report
がん特異的ラジカルスカベンジ制御に基づく新しい癌休眠療法の確立
Project/Area Number |
23591967
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 准教授 (60315330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 正剛 大分大学, 法人本部, 学長 (90169871)
守山 正胤 大分大学, 医学部, 教授 (90239707)
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
萩原 聡 大分大学, 医学部, 講師 (50527661)
緒方 一美 大分大学, 医学部, 研究員 (70596048)
平塚 孝宏 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (20600886)
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 講師 (00404369)
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Keywords | 抗酸化剤 / オートファジー / 腫瘍増殖 / 腹膜播種 / アポトーシス / 胃癌 |
Research Abstract |
最終年度もあたる今年度は、新規抗酸化剤ビタミンE誘導体(ETS-GS)を用い、胃癌細胞の腫瘍増殖および腹膜播種転移への抑制効果を in vitroおよび in vivoにて検討した。 (1)in vitroでは、胃癌細胞株 MKN45P に対する影響を、生存率、細胞周期、カスパーゼ3/7の活性化、電子顕微鏡による細胞形態、ウエスタンブロット法にてオートファジー関連タンパクの発現、Bio-plex によるリン酸化タンパクの発現を解析した。 ETS-GS の投与は、 MKN45P 細胞に対して濃度時間依存的な細胞増殖抑制効果を示した。コントロールとして用いた繊維芽細胞では増殖抑制は認めなかった。またG2/M期での細胞周期停止を誘導し、カスパーゼ3/7活性が有意に低く、アポトーシス誘導は認めなかった。電子顕微鏡ではネクローシスおよびオートファジーの所見を認め、LC-3-の発現はIからIIへの移行を示した。3MAの投与により、 ETS-GSによる MKN45Pの増殖抑制効果は、抑制された。従って、新規抗酸化剤ビタミンE誘導体(ETS-GS)の胃癌細胞に対する増殖抑制効果は、オートファジーによる細胞死の関与が考えられた。 (2)in vivoでは、nu/nuマウスで胃癌細胞株 MKN45P の腹膜播種モデルマウスを作成し、マウスを3群(生食投与群および ETS-GS 群(0.1, 1mg/kg/body)各群=8)にランダムに振り分け、21日目に擬死させ、体重・腹囲・腹水量・腫瘍細胞数を計測した。 ETS-GS 0.1㎎投与群が生食投与群に比べ有意な腫瘍増殖数の減少を示した。 以上より、規抗酸化剤ビタミンE誘導体(ETS-GS)はin vitro, in vivoにておいて胃癌細胞の増殖および転移の抑制を示し、その機序にオートファジーなどの非アポトーシス細胞死が関与していると考えられた。
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Research Products
(1 results)