2013 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒球コロニー刺激因子の術前投与による致死的不整脈抑制の検討
Project/Area Number |
23592025
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
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Keywords | 致死性不整 / up-stream治療 / 集中治療学 / G-CSF |
Research Abstract |
集中治療室管理下において難治性致死性不整脈の治療には苦慮しているのが現状である。申請者は、平成20年度から21年度にかけて獲得した科研費「心室性頻拍(VT)誘発モデルマウスに対する顆粒球コロニー刺激因子投与(G-CSF)治療の検討」により十分な基礎デー タを得た。しかし、実際の臨床では、心臓手術患者へのG-CSF術前投与による適応が期待される。そのため、臨床に則した理想的な手術によるモデル動物を作成し、顆粒球コロニー刺激因子投与の術前投与の予防効果を検討する。また、G-CSFの不整脈抑制効果のより 詳細なメカニズムの検討を目的とする。本研究は、同薬剤の術前投与の予防効果を検討する臨床研究のために必要不可欠な研究である。 実態・現行治療調査 心臓手術患者の術後心室頻拍合併症の正確な現状把握を目標とし、現段階でデータ収集中である。基礎実験新生児ラットの心筋培養細胞にG-SCFを投与することにより、connexin(Cx) 43の活性化の測定およびその細胞内シグナル伝達系の検討を行っており、現在もデータを集積中である。また、改めて行ったin vivoの検討により、生理学データの解析を進めるともに、心房筋への影響も考えられ、新たな展開が期待される。結果については、日本循環器学会および、アメリカ心臓学会などで発表し、その評価を得ている。G-CSFによる不整脈抑制効果に関する新たなメカニズムの可能性が示唆された。論文については、今のところ、動物実験レベルにとどまっているが、今後、臨床研究の論文化を目指す。
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Research Products
(1 results)