2011 Fiscal Year Research-status Report
エクスプラント心由来の自己幹細胞移植による新たな心臓移植後の拒絶緩和療法の開発
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23592036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新井 禎彦 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50345617)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医療 / 心筋幹細胞 / 心移植 / 拒絶反応抑制 |
Research Abstract |
純系ラットをもちいたレシピエント心筋由来の心筋幹細胞のドナー心への移植実験において、心筋幹細胞の分離、培養手技が確立され、移植に必要な細胞の確保は初年度で達成された。また腹腔内への異所性心移植手技であるオノ・リンゼイ手術も安定した成功率を確保できるようになった。現時点では免疫抑制剤投与を開始すれば長期生着モデルの確立も可能であるが、現段階での最も困難な手技は、培養増殖をえた心筋幹細胞の移植心への選択性の高い移植方法の確立である。腹腔内移植後の心グラフトの少なくとも上行大動脈以上に選択的な投与法の確立が必要である。心臓カテーテル検査など放射線検査を用いた手技が実際上は実施困難であるため、移植手術中に投与経路を確立する方法の開発を現在進めている。現時点では世界初の移植心へのレシピエント由来の心筋幹細胞移植の実験系の確立という実績が達成されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験系の外科的手技および細胞培養部分は安定しているが、幹細胞注入の小動物における方法論が困難であるため実験系の確立が未完成である。長期生存モデルでも使用可能な留置カテーテルを市販品で探すなどの方法をとっているが、血栓性の問題などで最適なものが見つかっていない。さらに次段階の過大として現在検討中の投与法によって十分な量の幹細胞が確実に冠動脈に送る事が出来るのかが、課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
幹細胞注入手技の確立を達成したのちに、免疫抑制剤投与を行った長期生存群モデルの作成を進める。移植後の細胞治療後移植心を摘出後の評価法はすでに研究室で確立されており、順調に評価が進むことが期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は実験系確立後の各群の数を満たすための実験動物、手術用材料、薬品、の購入を主として研究費を使用する。平成25年度は実験により得た標本の組織学的評価、免疫学的評価の多くの研究費を費やし、その解析、発表などに必要な経費も使用する予定である。
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