2012 Fiscal Year Research-status Report
エクスプラント心由来の自己幹細胞移植による新たな心臓移植後の拒絶緩和療法の開発
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23592036
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新井 禎彦 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50345617)
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Keywords | 幹細胞治療 / 再生医療 / 心移植 / 先天性心疾患 / 心臓血管外科 |
Research Abstract |
ラットを使用した異所性心移植モデルが確立された。またドナー心由来の心筋幹細胞の抽出培養手技も確立された。 現在移植後の心臓にドナー由来の幹細胞を注入する手技の開発を進めている。また幹細胞注入以前の腹腔内心グラフトの心機能評価を新規に購入した 東芝メディカルシステムズ社 高周波セクタプローブ PST-65ATによる血行動態の把握(左心機能、心筋厚の評価、生着度の評価)を開始している。組織学的評価(HE染色、Masson染色)においては移植後の拒絶反応による組織学的な心筋傷害が確認されている。また幹細胞注入に成功した例においては組織障害の改善が一部認められており、心移植におけるレシピエント心由来幹細胞による幹細胞再生医療への道筋が開かれつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットを用いた異所性心移植の外科的モデルと純系ラットからの心筋幹細胞抽出培養手技は確立されているが、拒絶反応が出現する時期に移植心の冠動脈に幹細胞を効率よく注入する方法の開発が困難である。 移植手術時に移植心の上行大動脈に微細カテーテルを留置して大腿動脈からカテーテルを体外に出す方法を持ちているが出血感染などを起こしており、安定していない。 術後にカテーテルを行うことは小動物のため極めて困難であり、幹細胞投与の実施が安定いていない。
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Strategy for Future Research Activity |
留置カテーテルの工夫により、可能な限り冠動脈に選択性の高い幹細胞注入の手技を確立を目指すが、困難な場合、全身投与による実験系の妥当性を検証することにより、当初の目標に到達したい。 細胞移植後の組織学的評価については既に再生医療研究において確立されており、準備は整っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
幹細胞の移植手技の確立、組織学的評価、心機能の解析、統計学的評価を行う。
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