2014 Fiscal Year Annual Research Report
左心補助人工心臓装着患者の右心不全に対する心房内シャント形成術の有効性評価
Project/Area Number |
23592051
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
齋藤 友宏 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 派遣研究員 (20598221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 宏一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40379235)
三隅 祐輔 独立行政法人国立循環器病研究センター, その他部局等, その他 (20631477) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 補助人工心臓 / 右心不全 / 心不全動物 / 急性動物実験 / 非侵襲的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究は、LVAD(左心補助人工心臓)補助患者における右心不全発症は救命率が低下することを受け、有効性の高い治療法確立を目的に考案された研究である。特に付加的にRVAD(右心補助人工心臓)を埋め込む治療法は患者侵襲度が高いと考え、歴史的にも確立された治療法であり患者侵襲度の低いBalloon atrioseptostomy(バルーン心房裂開術)を患者に導入し、その有効性を示すために動物実験を行ってきた。前期3年度の研究成果により、肺高血圧症を伴ったLVAD補助下右心不全を発症した動物において、心房内シャントの作成はLVAD流量の増加とそれに伴う血行動態の安定化を保つことが示された。当初の目標であった急性動物実験において、具体的には肺動脈絞扼術により作成された右心不全下では右房圧は18±5mmHg、血圧中央値は41±12mmHg、LVADポンプ流量は0.9±0.6L/minのショック状態であったが、心房内シャントの開放によりポンプ流量は2.7±0.6L/min(p <0.001)に増加、右房圧は15±5mmHgへと低下(p=0.001)、血圧は53±18mmHgにまで上昇し(p=0.006)ショック状態を脱するという結果を得られた。これらの実験結果は過去1回の国際学会と本年度の日本人工臓器学会において報告された。また同様に本年度、European journal of cardiothoracic surgeryのOriginal articleで投稿論文をアクセプトされる結果に至った。また、今年度の発展的研究として、別の手法による右心不全モデル作成と慢性動物実験モデルの作成を目標としたが、いずれにおいてもモデル確立と有効な実験結果には至っていない。
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Research Products
(2 results)