2012 Fiscal Year Research-status Report
非小細胞肺癌の血管新生機序解明に対する新しいアプローチ法とその臨床応用
Project/Area Number |
23592069
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鈴木 実 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (80312940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 公英 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20448525)
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Keywords | 非小細胞肺癌 |
Research Abstract |
非小細胞肺癌細胞株9株におけるSLIT2遺伝子の異常メチル化について検討した。通常のmethylation specific PCRでは、異常メチル化を検知出来なかった。そのため、Pyrocequence法で検討した。その際、癌関連遺伝子としてLINE-1、MAL、IGFBP7遺伝子の異常メチル化についても検討した。その結果、SLIT2、LINE-1、MAL、IGFBP7遺伝子は異常メチル化を認めた。特にSLIT2、MAL、IGFBP7遺伝子の3つについてはreal time RT-PCR法でmRNA発現量を脱メチル化試薬投与前後で調べた。その結果、3つの遺伝子のmRNAとも脱メチル化試薬投与後に発現量が回復増加していた。以上から、3遺伝子は腫瘍細胞では異常メチル化で発現抑制されている、癌抑制遺伝子として機能していることが示唆された。次に、これら4遺伝子の異常メチル化を手術時切除検体で調べた。56例の非小細胞肺癌切除例で、対応する非癌部肺組織とペアでPyrosequence法で調べた。非癌部肺組織でのメチル化の比較から、SLIT2、LINE-1、MAL、IGFBP7遺伝子は腫瘍特異的に、異常メチル化を示すことがわかった。メチル化の程度を非癌部と癌部で分けるため、ROCカーブからカットオフ値を求めた。そのカットオフ値を用いると、各遺伝子は64%、55%、46%、54%と高頻度に認めることがわかった。臨床学的にも各遺伝子は、臨床因子と関連を認めた。SLIT2を含めた各癌遺伝子の異常メチル化検討は今後非小細胞肺癌における治療を考える上で重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管新生関連因子としてのSLIT2の役割について検討することが出来た。さらに、LINE-1、MAL、IGFBP7遺伝子の異常メチル化についても検討し、非小細胞肺癌で重要な役割を果たしていることを明らかにすることが出来た。そして、その結果を論文として報告することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もSLIT2機能解析やほかの血管新生関連の癌関連遺伝子について研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Interferon regulatory factor 8 (IRF8)とpolyamine modulated factor-1(PMF-1)遺伝子の異常メチル化について検討する予定である。
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[Journal Article] Aberrant methylation of LINE-1, SLIT2, MAL, and IGFBP7 in non-small cell lung cancer2013
Author(s)
Makoto Suzuki, Kenji Shiraishi, Ayami Eguchi, Koei Ikeda, Takeshi Mori, Kentaro Yoshimoto, Yasuomi Ohba, Tatsuya Yamada, Takaaki Ito, Yoshifumi Baba, Hideo Baba
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Journal Title
ONCOLOGY REPORTS
Volume: 29
Pages: 1308-1314
Peer Reviewed