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2012 Fiscal Year Research-status Report

独創的な組織工学技術を用いた人工気管作成の試み

Research Project

Project/Area Number 23592071
Research InstitutionNara Medical University

Principal Investigator

内藤 洋  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00316069)

Keywords再生医療 / 組織工学 / 人工気管組織
Research Abstract

線維芽細胞から作成した弾力性のあるチューブ状の組織を、骨芽細胞から作成した虚脱に対する強度をもつリング状の組織が補強するという構造を持つ人工気管を作成した。これまでの検討でラットの大腿骨から採取した間葉系幹細胞を液状のコラーゲンと混合、リング状の鋳型内で三次元培養し、リング状の組織を作成した。組織作成中にアスコルビン酸、デキサメタゾン、β-グリセロフォスフェイトを培養液に添加することによって間葉系幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導可能であることを培養液中へのオステオカルシンの分泌量の測定、細胞外マトリックスへのカルシウムの沈着量の測定から証明した。また、線維芽細胞から作成した弾力性のあるチューブ状の組織の周りに間葉系幹細胞から分化した骨芽細胞で作成したリング状の組織を配置し、培養することによって肉眼的に目標とする人工気管組織の作成に成功していた。本年度は、上記の人工気管組織の力学的特性について検討し、移植に用いることが出来る程度の強度を持つかどうかについて検討した。
ラットの線維芽細胞を用いて1層、2層、3層のチューブ状の組織を作成した。また、3層の組織に上記のリング状の組織を組み合わせた人工気管組織も作成した。比較として、成ラットの気管を用いた。それぞれの組織にフックを掛け引っ張り、単位引っ張り距離当たりの組織に掛かる張力を測定した。続いて、単位引っ張り当たりの張力から組織の硬度を検討した。積層化することによって組織の硬度が上昇することが明らかとなった。しかし、3層の組織であっても成ラットの気管と比較すると、有意に硬度が低いことが明らかとなった。一方、固いリング状の組織で外固定した人工気管はラットの気管と有意な差が無いことが明らかとなった。これらの結果から、作成した人工気管組織はラットへの移植に使用できる可能性が示唆されたものと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

人工気管の力学的特性を詳細に検討し、人工気管はラットの気管と同等の強度を持つことが明らかとなった。この結果から、作成した人工気管組織はラットへの移植に使用できる可能性が示唆されたものと考えられる。
以上の結果により、概ね予定していた実験計画を達成できていると考えている。

Strategy for Future Research Activity

予定通り、人工気管のラットへの移植についての検討を行うこととする。
全身麻酔下に人工気管をラットの気管に移植する。呼吸器から離脱し、呼吸が再開しても人工気管虚脱することなく、ラットが自発呼吸可能かどうかについて観察する。自発呼吸が可能であれば、長期生存の可能性についても検討を行う。移植後3日間、3か月間程度でラットを犠牲死させ検討する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

人工気管のラットへの移植に必要な麻酔器、手術器具などは既に所有している為、現在のところ大型機器を購入する予定はない。人工気管のラットへの移植には多くの人工気管の作成が必要である。また、移植に用いるラット、麻酔薬などの購入も必要である。従って、大部分の研究費は消耗品に使用する予定である。また、成果の発表、論文の作成などの費用にも使用する可能性がある。

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Published: 2014-07-24  

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