2011 Fiscal Year Research-status Report
肺転移モデルにおけるアンジオテンシンII受容体サブタイプの転移抑制効果機序の解明
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23592073
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
天野 英樹 北里大学, 医学部, 講師 (60296481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 耕二 北里大学, 医学部, 講師 (30327324)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アンギオテンシン / AT1a受容体 / 血小板 / 腫瘍肺転移 |
Research Abstract |
平成23年度はAT1a+/+とAT1a-/-との骨髄機能回復能力効果の相違について検討した。A. AT1a+/+とAT1a-/-との骨髄機能回復能力効果の相違の検討 :5-FUを腹腔内注射し骨髄機能の回復能力について比較検討を行いAT1a-/-は AT1a+/+と比較し骨髄組織の回復力の遅延を認めた。投与後1,3,7,14,21日に末梢血液中の血小板数と血清中のSCF, pro MMP-9, SDF-1をELISA kitを用いて測定したところ、 AT1a-/-はAT1a+/+と比較し有意に濃度の抑制を認めた。2. 腫瘍肺転移モデルを用いた検討 :A. AT1a+/+とAT1a-/-との肺表面転移巣の形成効果及び生存率の検討: AT1a+/+及びAT1a-/で3.0X105個/mlの悪性黒色腫細胞(B16F1)を尾静脈より静脈注射し、肺転移モデルを作成後2週間に、肺を摘出した後,肺表面の腫瘍コロニー数を実態顕微鏡でカウントした。また、生存率も検討した。 腫瘍転移数はAT1a-/-はAT1a+/+と比較し有意に低下を認めた、また生存率はAT1a+/+は3週間でほとんど死亡するのに対し、AT1a-/-の死亡率は20%であった。B.血小板数、SCF, pro-MMP9, SDF-1値の経時的変化の比較検討:腫瘍細胞静注1,3,7,14日に継時的に血小板数と血清中のSCF, pro MMP-9, VEGF, SDF-1をELISA kitを用いて測定するとAT1a-/-はAT1a+/+と比較し有意にこれらの低下を認めた。また7日と14日目に免疫組織化学による骨髄組織中の巨核球数について比較検討も同様でとAT1a-/-はAT1a+/+と比較し有意に低下を認めた。 今回の実験からAT1aシグナリングが、骨髄作用、特に血小板産生に関与し、それが腫瘍転移形成と関与がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究は申請する以前から予備実験を繰り返し行ってきたため、今現在、進行は順調である。今後、血小板の表面マーカーの探索、フローサイトメトリーを行う予定なので、抗体の特異度など難しい局面が予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
血小板にはVEGFやSDF-1などの血管新生促進因子が含まれ、それが腫瘍の転移形成に関与している。また腫瘍転移形成にあたりは血小板の活性化は不可欠であり、その時、血小板でのp-selectinの発現の増強及び末梢血液中のsoluble-p-selectin濃度の上昇を認める。今後、腫瘍転移巣形成時における血小板の活性化にAT1aが関与しているか否かについて検討する。詳細は以下にしるす。A.末梢血液中のsoluble p-selectin濃度の比較検討B 血小板のp-selectinの発現の比較検討(天野、江島が担当)C.血中のVEGFR1+造血前駆細胞の発現の測定(天野、江島が担当)またAT1aシグナリングが骨髄組織のストローマ因子を活性化させることにより骨髄組織から、VEGFR1+造血前駆細胞の動員を促し転移の形成の増強を促している可能性があると考えられるためBと同様にフローサイトメトリーを用いて末梢血液中のVEGFR1陽性細胞の発現について比較検討する。今までの実験にてAT1aのシグナルが骨髄組織のストローマに作用することで血小板を活性化し腫瘍肺転移を形成する推測された。血小板にもAT1aが発現している。そこで、AT1a-/-やAT1a+/+の骨髄移植の実験にて腫瘍肺転移に差が出るか否か検討する予定である。詳細は以下にしるす。A.骨髄移植による腫瘍肺転移の検討(天野が担当)B.転移巣近傍における血小板の発現の検討(天野が担当)骨髄移植後、6週間後、腫瘍肺転移モデル作成し7日後に肺を摘出し、血小板に特異的マーカーCD41に対する免疫組織化学を行い、早期転移巣形成における血小板のAT1a受容体の役割について検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
血小板にはVEGFやSDF-1などの血管新生促進因子が含まれ、それが腫瘍の転移形成に関与している。また腫瘍転移形成にあたりは血小板の活性化は不可欠であり、その時、血小板でのp-selectinの発現の増強及び末梢血液中のsoluble-p-selectin濃度の上昇を認める(Blood 2000)。今回腫瘍転移巣形成時における血小板の活性化にAT1aが関与しているか否か検討を行う。詳細は以下に記す。A.末梢血液中のsoluble p-selectin濃度の比較検討(天野、大学院生が担当)腫瘍肺転移モデル作成後1,3,5,7,14日に採血し、ELISAを用いてsoluble p-selectin濃度について比較検討を行う。B 血小板のp-selectinの発現の比較検討(天野、江島が担当)腫瘍肺転移モデル作成後1,3,5,7,14日に採血しフローサイトメトリーを用いて活性化された血小板(CD41とCD62P)の発現について比較検討を行う。C.血中のVEGFR1+造血前駆細胞の発現の測定(天野、江島が担当)AT1aシグナリングが骨髄組織のストローマ因子を活性化させることにより骨髄組織から、VEGFR1+造血前駆細胞の動員を促し転移の形成の増強を促している可能性があると考えられるためBと同様にフローサイトメトリーを用いて末梢血液中のVEGFR1陽性細胞の発現について比較検討する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Thromboxane A2 receptor signaling facilitates tumor colonization through P-selectin-mediated interaction of tumor cells with platelets and endothelial cells2012
Author(s)
Matsui Y, Amano H, Ito Y, Eshima K, Suzuki T, Ogawa F, Iyoda A, Satoh Y, Kato S, Nakamura M, Kitasato H, Narumiya S, Majima M.
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 103
Pages: 700-707
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Prediction of postoperative exacerbation of interstitial pneumonia in patients with lung cancer and interstitial lung disease2011
Author(s)
Akira Iyoda, Shi-Xu Jiang, Hideki Amano, Fumihiro Ogawa, Yoshio Matui, Naomi Kurouzu, Hidenori Hara, Kenji Nezu, Tetsuo Mikami, Makoto Saegusa, Yukitoshi Satoh
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Journal Title
EXPERIMENTAL AND THERAPEUTIC MEDICINE
Volume: 2
Pages: 1073-1076
Peer Reviewed
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[Presentation] Thromboxane A2 receptor signaling facilitates tumor colonization through P-selectin-mediated interaction of tumor cells with platelets and endothelial cells2011
Author(s)
Matsui Y, Amano H, Ito Y, Eshima K, Suzuki T, Ogawa F, Iyoda A, Satoh Y, Kato S, Nakamura M, Kitasato H, Narumiya S, Majima M.
Organizer
第70回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
2011年10月3日