2012 Fiscal Year Research-status Report
肺転移モデルにおけるアンジオテンシンII受容体サブタイプの転移抑制効果機序の解明
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23592073
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
天野 英樹 北里大学, 医学部, 講師 (60296481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 耕二 北里大学, 医学部, 講師 (30327324)
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Keywords | AT1a / Angiogenesi / Patelets |
Research Abstract |
血小板にはVEGFやSDF-1などの血管新生促進因子が含まれ、それが腫瘍の転移形成に関与している。また腫瘍転移形成にあたりは血小板の活性化は不可欠であり、その時、血小板でのp-selectinの発現の増強及び末梢血液中のsoluble-p-selectin濃度の上昇を認めた(Blood 2000)。今回腫瘍転移巣形成時における血小板の活性化にAT1aが関与しているか否か検討を行った。 A.末梢血液中のsoluble p-selectin濃度の比較検討:腫瘍肺転移モデル作成後1,3,5,7,14日に採血し、ELISAを用いてsoluble p-selectin濃度について比較検討を行った。野生型マウスと比較しAT1a-/-では有意に低下を認めた。 B 血小板のp-selectinの発現の比較検討:腫瘍肺転移モデル作成後1,3,5,7,14日に採血しフローサイトメトリーを用いて活性化された血小板(CD41とCD62P)の発現について比較検討を行った。腫瘍細胞静脈注射後一日目で野生型マウスと比較しAT1a-/-では有意に低下を認めた C.血中のVEGFR1+造血前駆細胞の発現の測定:AT1aシグナリングが骨髄組織のストローマ因子を活性化させることにより骨髄組織から、VEGFR1+造血前駆細胞の動員を促し転移の形成の増強を促している可能性があると考えられるためBと同様にフローサイトメトリーを用いて末梢血液中のVEGFR1陽性細胞の発現について比較検討した。腫瘍細胞静脈注射後七日目で野生型マウスと比較しAT1a-/-では有意に低下を認めた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
去年、結果をまとめ下記の雑誌に採択された Angiotensin II type 1A receptor signaling facilitates tumor metastasis formation through P-selectin-mediated interaction of tumor cells with platelets and endothelial cells.Am J Pathol. 2013 Feb;182(2):553-64.
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Strategy for Future Research Activity |
AT1aが血小板を活性化を促進し腫瘍細胞の接着に関与していることを論文にまとめた(Angiotensin II type 1A receptor signaling facilitates tumor metastasis formation through P-selectin-mediated interaction of tumor cells with platelets and endothelial cells.Am J Pathol. 2013 Feb;182(2):553-64. )しかし詳細なメカニズムは明らかではないので、その際の接着因子を同定していく予定である
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今までの実験にてAT1aのシグナルが骨髄組織のストローマに作用することで血小板を活性化し腫瘍肺転移を形成する推測された。血小板にもAT1aが発現している(Arter Throm Vas Biol 2006)。そこで、AT1a-/-やAT1a+/+の骨髄移植の実験にて腫瘍肺転移に差が出るか否か検討することにする。 A.骨髄移植による腫瘍肺転移の検討 あらかじめAT1a-/-,AT1a+/+に放射線を照射し、骨髄組織の機能を低下させ、同日AT1a-/-及びAT1a+/+の骨髄細胞(3.0X106個/ml)を静脈注射する。6週間後に腫瘍肺転移モデルを作成し14日後腫瘍肺転移形成能について比較検討をする。 B.転移巣近傍における血小板の発現の検討 骨髄移植後、6週間後、腫瘍肺転移モデル作成し7日後に肺を摘出し、血小板に特異的マーカーCD41に対する免疫組織化学を行い、早期転移巣形成における血小板のAT1a受容体と腫瘍細胞間で必須な接着因子の同定及び役割について検討を行う。
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Research Products
(1 results)